ビーニャ ウィリアム フェーヴル チリ エスピノ シャルドネ 2022
標高900mにあるサン ホワン ピルケにある畑の葡萄を使用。フェーヴル チリが所有する畑の中で、シャルドネに最も適している畑です。その中でも砂利質の部分で栽培されている葡萄をエスピノに用いています。収穫した葡萄は、シャンパーニュと同じように、房ごとやさしく圧搾し、キュヴェ(1番搾り)とタイユ(2番搾り)に分けます。房ごとプレスすることで、骨格が与えられます。それぞれ別々に、SO2を使わずステンレスタンクで16〜18度に保ち10〜15日間かけて発酵します。澱と共に寝かせ、少しバトナージュします。ステンレスタンクで澱と共に熟成させます。フレッシュさとミネラル感を保つために、マロラクティック発酵は行ないません。
テイスティング コメント
明るいイエロー、僅かにグリーンのトーン。香りはシトラスやトロピカルフルーツのアロマに菩提樹やアニスのヒント。さらに火打石、鉱物的なミネラルのニュアンスが混ざり合う。味わいは豊かで香り同様にミネラルを伴う。そして心地よい塩味がありフレッシュな酸が味わいを支える。コクとともにキレの良さが身上。爽やかな余韻をもち、バランスのよい仕上がり。合わせるお料理は、ムニエル、ポークソテー、フライや天ぷら、山菜料理など。
2021年6月試飲(2019年ヴィンテージ)
ビーニャ ウィリアム フェーヴルチリ
ビーニャ ウィリアム フェーヴル チリは、生産量の限られた「ブティック ワイナリー」です。フェーヴル チリのあるアルト マイポは、アンデスの麓を這い登る場所で、山から吹き降りる涼しい風と土壌の影響を受けています。そこにあるワイナリーは、「マウンテン グロウン ワイナリー」と呼ばれ、その多くは500~550mにありますが、フェーヴル チリは、さらに高い600~1000mにあります。
各地で収穫された葡萄はセラーのあるサン ルイスまで運びます。その間の劣化を防ぐために、収穫は早朝に行い、6~7時の気温の低い時間帯にトラックで運びます。収穫は全て手摘みで、土壌や熟成具合を見て区画ごとに行います。土壌が違うと、葉落としから収穫まで、全てのタイミングが異なります。収穫を3回に分けると、その分手間はかかりますが、それが品質に繋がっています。また、葡萄の状態は、分析値も参考にしますが、最終的には実際に葡萄を食べて、種の色と味わいで判断しています。ただし、「大切なのは選別を熱心に行うことではなくて、良い葡萄を収穫できるように育てること、収穫の時期を正しく判断すること」。なお、グラン キュベは、セラーに運ばれた後、揺れる選果テーブルでさらに選別します。
フェーヴルの経験とエノロジスト達のノウハウが、最良のワインへと導く
シャブリのウィリアム フェーヴルと、畑を所有するピノ家との共同経営。2004年まではフェーヴルがワインのスタイルを決めていましたが、体調が悪化したためにチリに頻繁には来られなくなったため、徐々にピノ家が引き継いでいます。現オーナーはビクトール ピノ(1935年生)、ワインメーカーはフィリップ ウリベ、アグノロミストはニコラス ヤヌシです。さらに、ブレンド アドバイザーとしてイタリアワイン界の重鎮「テスタマッタ」のアルベルト アントニーニ氏を招聘したことにより、単に力強く濃いワインではなく、「エレガンス」を備えた味わいへと見事なまでの変貌を遂げています。