ゲオルク ブロイヤー ソヴァージュ リースリング Q.b.A. トロッケン 2022
ゲオルグ ブロイヤーのワインを知る上で入門編となるのが、この“ソヴァージュ リースリング トロッケン”。透明で鮮烈な酸と十分なミネラル分、一本芯の通った、この醸造所の信条がはっきりとみてとれる力強い味わいをお楽しみいただけます。
テイスティング コメント
輝きのあるグリーンがかった淡いイエロー。透明度が高く澄んだ外観。粘性は中程度よりやや低め。新鮮なマンダリンオレンジやグレープフルーツ、ライチ、青リンゴ、白い花のアロマに爽やかなミントハーブや鉱物、石、ミネラルのニュアンスがアクセント。清涼感に加えてほんのりと甘みを伴う華やかな芳香が鼻腔をくすぐる。アタックは溌剌としていて、ややクリスピーな飲み口。しまりのある豊かな酸味と溢れんばかりのミネラルがしっかりとした骨格を形成。果実味はエキス分が充実し、グレープフルーツやメロンを思わせ、クリアーでピュア、ジューシーな旨みで満たされる。中庸のボディを持ち、後味はスッキリとしていて爽やか、エレガントな酸の余韻がアフターまで続く。
ゲオルク ブロイヤー
ほんの百年ほど昔。世界で最も高価とされていたワイン。それはボルドーでもブルゴーニュでもありませんでした。当時世界中で愛されてやまなかった、食事によく合う最高の辛口ワイン、それこそがドイツワインの聖地ラインガウのリースリング種を使った辛口白ワインであったといいます。その復権に真剣に取り組んだのが、今は亡きベルンハルト ブロイヤー氏。
ここ最近のリースリング人気には目を見張るものがあります。特に需要の拡大が大きいのがアメリカで、消費量は6年間で3倍増に膨らんでいます(2007年度統計 因みに輸入量は前年対比23%増)。また地元の土着品種から造られるワインをこよなく愛するイタリアでさえ、ドイツ産リースリングの輸入量が増えています。
全ての気高いブドウの中で最も用途が広く、複雑であり料理とよく合う品種「リースリング種」。他のどんな品種もこれほど多くの異なった素晴らしい性質(花のアロマを持った完全なドライからスパイシーなアロマ、デザートにおけるスイートなアロマまで)を示すよう造る事は出来ず、他のどの品種もこれほど栽培地を純粋に表すものはありません。このワインの持つ多様性が多様な料理との無限の合性を可能にしてくれます。
リースリング ルネッサンス
今日では世界中で、“リースリング ルネッサンス”と呼ばれる復興が起きています。その大きな立役者であったのが先代の当主ベルンハルト ブロイヤー氏でした。辛口へのシフト、格付けの廃止、徹底した低収量による畑名の意味づけ、カルタ同盟など、現在のドイツワインが再び世界を駆け巡るその道筋をしっかりと示した彼の活動には今でも賞賛の声が絶えません。2004年5月惜しくもその短すぎる人生を終えた氏の遺志は、若き現当主テレーザ ブロイヤー氏に見事に引き継がれ、「ドイツワインの復興」という壮大な夢は、着実に実を結ぼうとしています。
独自の4つのカテゴリーにクラス分け
ワイングート ゲオルグ ブロイヤーの最大の持ち味はなんと言ってもリースリング種を100%使用した力強い辛口ワインです。今は亡き前当主ベルンハルト ブロイヤー氏は自分たちの造るリースリングワインを、従来のドイツの複雑なワイン法に全くとらわれることなく独自の4つのカテゴリーにクラス分けしました。彼の辛口リースリングワインには、実際はシュペートレーゼ以上の果汁が使用されているにもかかわらず、シュペートレーゼ等の記載はなく、全てQ.b.A.の表記となっています。裏ラベルに小さく書かれたローマ数字がそのクラス分けです。すなわちⅠ~Ⅳまであり、数字が少なくなるほどクラスが上がります。
各メディアから絶賛の声
アイヒェルマン、モンド ワインガイド2001年度版・・・『私がはじめてラインガウのワインに愛情を感じたのは透明感があり力強く、時に強烈なリースリングであった。力強くも果実味豊か。それが私の理想とするところ。今日そういったリースリングを造り出す醸造家を見つけ出すのは難しい。このワイングート・ゲオルグ・ブロイヤーこそ、その数少ない「特別な醸造家」の一人である。』
ヒュー ジョンソン ポケットワインブック・・・『この近年まれに見るすばらしい品質、特にボディのしっかりとしたエレガントな辛口リースリングと新しいアイデアには目を見張るものがある。』
マイケル ブローデント デキャンタ誌・・・『魔法か、天才のなせる業か?』
現当主:テレーザ ブロイヤー氏、故ベルンハルト ブロイヤー氏