ル オー メドック ディッサン 2017
シャトー ディッサンの区画から南に5km離れた、アルザック村の砂利質の区画から造られます。土壌は砂利質で、カベルネ ソーヴィニヨンに向いています。2008年には区画の大半がマルゴーA.C.に格上げされたため一時的に生産量が少なくなってしまいましたが、現在区画は11ヘクタールに拡大し、マルゴーA.C.に肉薄した素晴らしい品質のオー メドック ワインが造られています。
熟成: オーク樽熟成 14ヶ月(新樽比率25%)
テイスティング コメント
濃いルビー / ガーネットの色調。ブラックチェリーやプラム、ブラックオリーブの香りとタイムやブラックペッパーなどのスパイスのノート。そして木樽由来のエスプレッソやビターチョコレート。タバコや湿った土のニュアンスも感じる。アタックはソフト、艶やかで丸いテイスト。キメ細かなタンニンと調和のとれた酸味。ストラクチャーがしっかりとしておりふくよかなボディ感をもつ。ビロードのような舌触りで洗練されたフルボディ。グラン ヴァンたる所以が垣間見える素晴らしい仕上がり。
合う料理 牛・仔羊のロースト、茸ソースを添えた牛ステーキ、ビーフシチューなど。
※2023年9月試飲
シャトー ディッサン
シャトー ディッサンの歴史は長く、古くは12世紀頃から歴史の表舞台にその名が登場します。有名な逸話として、1152年、後のイギリス王ヘンリー3世とアリエノール妃の結婚式に供された記録が残っています。メドックでも有数の美しさを誇るシャトーは、17世紀に建てられた歴史あるものです。1851年にはブランシー家が、1865年からはロイ家がシャトーの所有者となり、特にロイ家によっては素晴らしいセラーが築かれ、また1855年のメドック格付第3級に恥じない高い品質のワインが造られるようになります。
しかしその後は大戦の影響を受け、長きに亘り低迷が続きましたが、1945年にボルドーでも有数のネゴシアン一族であるクルーズ家がそのオーナーとなり、設備や畑の改善に取り組み始めます。そして1994年には3代目オーナーとなるエマニュエル クルーズ氏がシャトーに加わり、翌95年から大規模な投資を敢行。才能溢れる彼の手によって、シャトーは瞬く間にかつての輝きを取り戻し、毎年ワイン アドヴォケイトやスペクテーターなどの評価誌でも高く評価されるようになりました。2013年からは資産家であるジャッキー ロレンツェッティ氏が共同所有者に名を連ねています。
ディッサンを牽引する原動力!シャトーにかつての輝きを取り戻した立役者
現オーナーであるエマニュエル クルーズ氏は、1945年にシャトー ディッサンのオーナーとなったエマニュエル アンリ ジョルジュ クルーズ氏の孫にあたり、同じ「エマニュエル」という名を受け継いでいます。1994年にシャトーに加わり、98年には30歳という若さで歴史あるシャトー ディッサンのオーナーに就任。シャトーの運営とワイン造りの両方にその才能を発揮し、素晴らしい品質のワインを世に送り出し続けています。
エリック ボワスノ氏がコンサルタントを務める
現在左岸で活躍のエリック ボワスノ氏がコンサルタントを務めている事もこのシャトーの品質の向上に一役買っています。エリック ボワスノ氏はラフィット、ラトゥール、マルゴーといった超一流シャトーをコンサルタントするボルドー最高の醸造コンサルタントです。コンサルタントの哲学を押し付けるやり方ではなく、それぞれのシャトーの哲学を尊重し、より良くすることをモットーとしているため、各シャトーの個性が存分に発揮されたワイン造りができると高く評価されています。
エマニュエル クルーズ氏