ドメーヌ・ユベール・ヴェルドロー ヴォルネイ 2013
畑:0.80ha、ヴォルネイの5区画(ポワゾ、グラン・ポワゾ、ファミーヌ、ブット・エ・シュール・ロッシュ)、樹齢18年、40年、56年。
醸造:畑とワイナリーで2回選果。発酵中、ピジャージュは控えめに行う。アリエ産の樽で14ヶ月熟成。新樽は使用せず1~5年の古樽。粘土質が強い土壌のため、タンニンは柔らかく素朴な味わいで、若いうちから心地よく飲めるワインです。
【テイスティング・コメント】
紫がかった淡いルビー、艶やかながら落ち着いた色調のローブ。粘性は中程度。香りにはアメリカンチェリーやストロベリー、クランベリー、アカシア、スミレ、バラのドライフラワー、ハーブ、シナモン、スパイシーなオークのヒント。華やかで凝縮したアロマがあり、生き生きとした芳香。レモンティーや花の蜜、ミネラルのニュアンスが加わりエレガントさが際立つ。アタックはソフトでなめらか。繊細かつ柔らかな口当たりで、何ものも受け入れるような温もり、官能的なしなやかさを兼ね備える。果実味は赤い果実や花々を思わせ甘酸っぱい果実感、僅かに酸を感じるものの嫌みがなくハーブの風味とともに心地よいアクセントとなる。味わいは芳醇にして軽やか(ミディアムボディ)。キメ細かなタンニンが溶け込み、輪郭のある上品な酸が程よく引き締める。スッキリとしたフィニッシュで華やかな果実のフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は鶏や豚肉のロースト、ソーセージ、牛しゃぶなどがおすすめ。
※2017年2月試飲
■ドメーヌ・ユベール・ヴェルドロー
ドメーヌ・ユベール・ヴェルドローは1994年にティエボー・ユベールによって設立されました。ドメーヌの名前は母親マリー・フランス・ユベールへのオマージュとして彼女の旧姓、ヴェルドローに由来しています。ヴェルドロー家は1974年までヴォルネイでヴィニュロンを生業としていました。1974年の父の引退を機に、マリー・フランスは2.90ヘクタールの畑を相続しましたが、当時は夫と3人の子供とともにアルザスに住んでおり、畑を貸し出すことにしました。
後に畑を引き継いだのは、息子のティエボー・ユベール氏。彼はストラスブールのホテル学校でホテル・マネージメントとソムリエの資格を習得し、カンヌのホテルで働いた後、ブルゴーニュの畑を受け継ぐことを決意。3年間ボーヌの大学で栽培と醸造を学びながら、従兄弟が経営するヴォルネイのドメーヌ・ジャン・マルク・ブレで働きました。1994年に自身のワインをリリースし、現在では9.5ヘクタールの畑をヴォルネイ、ポマール、ピュリニー・モンラッシェ、ムルソー、ブーズ・レ・ボーヌに所有し、14アペラシオンのワインを世に送り出しています。2000年頃からオーガニックを始め、2003年からはビオディナミをスタート、2005年には全ての畑をビオディナミに変換し、デメテールの認証を受けています。
ティエボー・ユベール氏
アルザス・ストラスブール生まれ。父親がアルザス出身(Huber)、母親がブルゴーニュ出身(Verdereau)。アルザスのソムリエ学校に通い、コート・ダジュールでソムリエとして従事。自身はソムリエとして働く中で、ニコラ・ジョリーや、ドメーヌ・ゴビー等ワインに感銘を受ける。1989年マルセル・ダイスでヴァンダンジュを経験。ブルゴーニュに畑があることを話すと、ジャン・マルセル・ダイスからワイン造りをすすめられる。1990‐1991年 道具をそろえ始め、1994年より3haの畑からワインを造り始める(ブルゴーニュ、ポマール、ヴォルネイ1級畑ロバルデル、ポマール1級畑ベルタン)。2005年にビオディナミにすべて転換。お手本はミシェル・ラファルジュ。