トゥエンティ・ロウズ カベルネ・ソーヴィニヨン ノース・コースト 2016
熟成:フレンチ&アメリカンオーク
テイスティング・コメント
紫がかった濃いルビー。深みがあり、粘性は高め。香りにはブラックチェリーやブラックベリー、カシスなどの熟した果実にブラックペッパー、ドライハーブ、特徴的な芳しいオークのノートがアクセント。お香やバニラビーンズ、チョコ、ココア、ローストしたコーヒー豆を思わせ、上品な甘さとスモーキーさが一体となる深い樽のフレーヴァー。そしてほんのりと魅力的な甘さがあり、果実のコンポートや黒糖のニュアンスが現れる。アタックはソフトでなめらか。キメ細かなタンニンが溶け込んでおり舌触りはビロードよう。果実味は濃密な質感と艶っぽさが交錯しジューシーで、風味に至ってもその樽感は存在感を指し示す。バニラの効いたスパイスやビターチョコのようなほろ苦さがアフターの余韻まで続き、肉付きのよいふくよかなボディ感、カベルネ主体らしいしっかりとした構造をもつ。繊細さも併せ持っており、親しみやすさと上級ワインに見られるようなリッチで突出した長い余韻をもつ。合わせるお料理は赤身肉のロースト、スペアリブ、すき焼き、マグロの大トロなど。
2018年3月試飲
トゥエンティ・ロウズ
トゥエンティ・ロウズは、典型的な地産地消型のワイナリーで、オーナー兼ワインメーカーであるブライアン・ヌス氏がマウント・ヴィーダー地区を中心に20年近く「樽・葡萄・スロープ (三位一体)」を研究した成果をワインに表現しようと立ち上げました。その成果と情熱は現地民から深く愛されており、生産されるほとんどのワインが地元で消費されてしまう人気ぶりです。彗星のごとく現れ、Food & Wine 誌のアメリカンワイードでは、過去に第一位を2度獲得し、そのクオリティーは今や折り紙付きの実力派なのです。
始まりは地元愛から
1990 年来 、サステイナブル・ファーミング(持続可能農法)に取り組み、2003年遂にスタートさせた家族経営の小規模なワイナリーです。ワインメーカーであるブライアン・ヌス氏はナパの西側、マウント・ヴィーダーで約20年の歳月を掛けて独自に土地柄の特性を研究しました。相当の時間と労力を費やした研究成果を舌の肥えたナパのローカル達(住人)に審判を仰ぐという地元愛から始まった生粋のチャレンジャーです。
「樽・葡萄・スロープ」三位一体を研究
通常マウント・ヴィーダー地区はキャラクターをしっかりと持った地区が故、独立したAVA(政府認定ブドウ栽培エリア)100%産のワインとして造られるこが多く、他の地区ブレンディグは行われないのですが、トゥエンティ・ロウズではワインメーカーのブライアンがカベルネとメルロ系をマウント・ヴィーダーのヒルサイドスロープで研究し、「樽・葡萄・スロープ」という三位一体の関係を魅力的バランスで凝縮させ、ワインの骨格として引き出しています。
ブライアン・ヌスBrian Nuss
特色を持った畑を厳選して、小さなロットでの醸造法を好み、繊細豊かなマウント・ヴィー ダヴィー(ナパ西部)と、オークノル地区(ナパ中南部)を軸足に「地元に愛されるワイン」というコンセプトで独自のワインを体現しています。テイスィング・ルームもナパのダウンタウンに設けるという“I love LOCAL!”の姿勢を徹底させています。