ドメーヌ・ミシェル・グロ ブルゴーニュ オート・コート・ド・ニュイ オー・ヴァロン ルージュ 2017
オー・ヴァロンはマレイ・レ・フュッセイ村にある第3のモノポールで、ファースト・ヴィンテージは2016年です。南向き斜面の恩恵を受け果実味豊かで、酸は優しくシルキーなタンニンが溶け込んだバランスの良い赤ワインです。
テイスティング・コメント
艶のあるルビーレッド。ブラックチェリーやレッドチェリー、ラズベリーの香りに、カルダモンやペッパー、スミレ、紅茶葉、タバコのヒント。新鮮かつ野性味があり金属的なミネラルのニュアンスも感じられる。口に含むとなめらかでしなやか。タンニンがシルキーで、中庸のボディに、酸味は穏やかで調和がとれている。果実味は鮮やかでジューシーだが、過熟感が無く、口中隅々まで広がり充実感がある。まろやかで、早いヴィンテージから楽しめる一本(現時点でジューシーで美味しい)。アフターの広がりがよく新鮮な果実のフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は、仔羊や鴨肉のロースト、ジビエ、北京ダック、軽くスパイスを効かせた肉料理、ベーコン、焼き鳥など。
2019年12月試飲
ドメーヌ・ミシェル・グロ
グロ家の歴史はニュイ・サンジョルジュの町から2キロほど離れたニュイの丘の上にあるショーという小さな村で、1804年に生まれたアルフォンス・グロから始まりました。ドメーヌを1830年に設立し、2代目ルイ・ギュスターヴ、3代目ジュール、4代目ルイ。長い歴史とともに所有畑を拡大し信頼のおけるドメーヌへと地位を確立していきます。
それからこのドメーヌの名声を今日のように高めたのはルイ・グロから畑を分割相続し1963年に独立した、5代目ジャン・グロでした。彼はとても独創的・革新的な人柄で、畑の拡張や機械化の促進など、様々な革新を試み、醸造方法の開発に貢献した人物でした。その後、ジャンは1995年ヴィンテージの収穫後に引退し、3人の子供たち(ミッシェル氏、ベルナール氏、アンヌ・フランソワーズ氏)に畑を分配しました。
本流となる6代目が長男のミシェル
1975年にボーヌ市の葡萄栽培学校を卒業したミシェルは、父ジャンと共にワイン造りに携わりグロ家の名声を高めるのに大きく貢献しました。1995年に単一畑の“クロ・デ・レア”、ヴォーヌ・ロマネの一級畑、ニュイ・サンジョルジュの2区画、ヴォーヌ・ロマネの2区画とACブルゴーニュの一区画を相続。自然を尊重し、殺虫剤は使用せずにホルモンカプセルを用いて害虫を防ぎ、収穫は完全に手摘みで行われています。入念な選果により健全な果実のみを選び運搬にはブドウを潰さない為に小さなプラスチックケースを用います。醸造ではブドウの持つ力を最大限に発揮するために醗酵は比較的高温で行われます。ワインは果実味とエレガントさが綺麗に表現されています。