シャトー オー ピクルノー 2000
発酵: ステンレスタンクとコンクリートタンク
熟成: オーク樽12カ月(仏産、225L、新樽比率30%)
テイスティング コメント
エッジがオレンジがかったルビー/ガーネット。香りはブラックチェリーやスグリ、ブラックペッパー、スパイシーなオークのヒント。20年の熟成を経て複雑みを帯びつつ、ミントやメントールのニュアンスが洗練さを与えている。口に含むとスムーズ。シルキーなタンニンと程よい酸味、果実味もしっかりとあり非常にバランスのとれた仕上がりで樽感が心地よいアクセント。しっとりとしたテクスチャー、飲み疲れないミディアムからフルボディタイプ。時間の経過と共にまとまりが出て余韻が長く続く。合わせるお料理は、鴨肉のロースト、牛のタタキ、煮込みハンバーグ、肉じゃがなど。
2020年11月試飲
シャトー オー ピクルノー
シャトー オー ピクルノーは数世代に亘りワインつくりを行う家族経営の生産者です。現オーナーはニコル シェズ ルパン氏。サン テステフから内陸に3km程入った、ヴェルタイユ村に位置しており、4.7haの南向き斜面の畑を所有しています。メルロとカベルネ系品種を半分ずつ栽培、生産量は非常に少なく年間で僅か30,000本程度と小規模なワイナリーです。
フランスAOCワイン事典(発行者 株式会社 三省堂)より抜粋
オー ドック Haut-Médoc
ボルドー市の北西、ジロンド河左岸に伸びる全長120kmのワイン生産地域のうち、上流域、つまり南側の29コミューン(市町村)にまたがる地区をオー・メドック地区と呼ぶ。この地区は多くの名門格付けシャトーをもつポイヤック、マルゴーなどの6つの村名AOCがあることで特に名を知られている。これら6つのAOCの生産地区以外の畑のブドウから、法で定められた一定の生産基準に準じて造られた赤ワインは、「オー・メドック」というAOCで市場に出される。
有名な1855年のメドックの公式格付けで「クリュ・クラッセ」に選ばれたシャトーのうち、AOCオー・メドックのアペラシオンを名乗るものは5シャトーである。また、村名AOCワインを造っている名門シャトーが、価格が求めやすく、しかも品質が高いワインを「オー・メドック」のアペラシオンで出していることも多く、ワイン愛好家から高い評価を得ている。
ボルドー地方、とりわけオー・メドック地区のワインの繁栄をもたらしたのは諸外国、特にイギリスやオランダとの交易である。これらの国々はボルドーワインの品質向上にも大きな役割を果たした。例えば、オランダからはブドウ園の拡大をもたらした干拓技術と、ワインの腐敗を遅らせるために樽を硫黄で殺菌するという技術を学んだ。また、イギリスとの取引によってワインを樽ではなくガラス瓶に詰めて、コルク栓で閉めるスタイルが初めて導入された。