ドメーヌ ドニ バシュレ ブルゴーニュ ピノ ノワール 2019
ジュヴレ シャンベルタンの2区画プレソニエとグラン シャンのブドウが使われるブルゴーニュ ルージュです。両クリマとも一部は村名ジュヴレとして認められており、ブルゴーニュというよりもジュヴレ シャンベルタン並みの力強さ、充実度を得ています。果実味と酸のバランスよく、タンニンもキメ細か。ワンランク上のブルゴーニュ ルージュです。
テイスティング コメント
やわらかなルビー、ガーネットの色調。香りはチェリーやプラム、ブラックベリー、野性味ある果実のアロマ。そしてスパイシーな香り。甘草やなめし革、下草などの熟成香が続く。口当たりはなめらかで、生き生きとした果実感。凝縮感がありながらしなやかに伸び、魅惑的な香味で満ち溢れる。ストラクチャーがしっかりとしておりタンニンはベルベットのよう。一言で言うならば緻密で、美しくパワフルな印象。ACブルの領域を遥かに超えており格上のヴィラーユクラスを彷彿とさせる。なんとも味わい深い一本。
合う料理 牛フィレ・鴨肉のロースト、ジビエ、鶏肉と野菜のココット、熟成チーズなど。
2024年3月試飲
ドメーヌ ドニ バシュレ
太陽王ルイ14世時代の飛脚小屋が、現在、ドメーヌ ドニ バシュレの醸造所となっています。所有するブドウ畑の面積は4ha余りで、構成としては村名のジュヴレ シャンベルタン ヴィエイユ ヴィーニュ(1.80ha)、 ジュヴレ シャンベルタン1級コルヴォー ヴィエイユ ヴィーニュ(0.44ha)、特級シャルム シャンベルタン(0.43ha)、 コート ド ニュイ ヴィラージュ(1.00ha)、ブルゴーニュ ルージュ(0.60ha)、ブルゴーニュ アリゴテ(0.46ha)となっています。2012年にコート ド ニュイ ヴィラージュの畑を8アールと村名ジュヴレ シャンベルタンの畑を42アール加えました。後者には1級並みのポテンシャルをもつとされるクリマ、レ ゼヴォセル(0.15ha)も含まれています。
ドメーヌはもともと祖父母の所有で、ドニはベルギーで生まれました。学校の休みに祖父母の家に遊びに来て、ブドウ畑に興味を抱き、1981年、18歳の時からワイン造りを続けています。このドメーヌで特筆すべきは樹齢の高さ。村名ジュヴレ シャンベルタンが平均樹齢80年、1級コルヴォーで90年以上、 特級シャルム シャンベルタンに至っては100年を超えています。この高い樹齢が凝縮味に溢れ、緻密な構造をもつワインの源泉となります。
醸造においては100%除梗の後、12〜15度の温度で6日間の低温マセレーション。その後、2週間のアルコール発酵となり、その時の温度は最大25度とやや低め。醸しは日に2回のピジャージュを近年1回に減らし、発酵の終わりに1回ルモンタージュを行います。過度の抽出を抑え、固い酒質にならず、若い時期でも飲み易くしています。ドニ バシュレのワインはしっかりとした酒質の一方、荒々しさとは無縁なのは、高過ぎない発酵温度と丁寧な醸しが理由でしょう。
樽熟成は村名ジュヴレ シャンベルタンで25%、1級コルヴォー、特級シャルム シャンベルタンがともに30%と、ジュヴレのドメーヌにしては新樽率が抑え気味でしたが、 2013年から一部新樽比率を増やし、ジュヴレで50%、シャルム シャンベルタンで100%使用しています。熟成期間は16〜18ヶ月。
コート ド ニュイ ヴィラージュはジュヴレ シャンベルタンの北側、ブロション村の区画からのもので、プレモー以南のワインと比べてストラクチャーのしっかりした、長期熟成も可能なタイプに仕上がっています。
ドニ バシュレのワインをひと言で言い表せば洗練。どのアペラシオンもすきのない素晴らしい品質です。
