ハギースパーク重畳(CHOUJOU)甲州 2017
重畳とは幾重にも重なることを意味し、これは大和葡萄酒株式会社の長い歴史と共に甲州種に着目し、長年研究を重ねてきた意味も込めて名付けられました。甲州葡萄を樽熟成し、ほのかなオークの香りとほどよい酸味のあるバランスの良いスパークリングワインに仕上がっています。
テイスティング・コメント
グリーンがかった淡いレモンイエローにシルバーのトーン。粘性は中程度よりやや低め。香りにはグレープフルーツやライム、八朔などの柑橘類、洋梨、白い花のアロマにジンジャー、カルダモン、石灰的なミネラルのノート。控えめながらオークの香りが新鮮かつ華やかさを引き立たせ、水あめやコンポートのような上品な甘さを伴う。口に含むと爽やかでクリーミーな発泡、心地よい刺激とともにジューシーな果実味が染み渡る。生き生きとしていて酸味は豊かだが嫌みのない辛口。クリーンでキレがよくフィニッシュはスッキリとしている。合わせるお料理はアペリティフ、寿司や天ぷらなどの和食、魚介類のマリネなど。
2017年5月試飲(2016年ヴィンテージ)
大和葡萄酒株式会社
基本理念「独自の価値形成」
創立以来、大和葡萄酒は日本古来の葡萄品種を大切と考え、歴史や葡萄のルーツを真剣に理解し日本の風土と環境に合うワイン造りに専念してきました。日本は独自の文化を持つ素晴らしい国です。そこで育まれた食文化は世界から高く評価されており、日本独自の価値観を誇りに高品質なワインを世に送り出しています。
1990年に長野工場開設、1995年にビール事業、そして2001年より骨子になるワインブランド構築を行っています。現在の社長・保樹氏は4代目です。 2012年(創業100周年)よりメインブランド名をD E L I A N(デリアン)からL'HUGGY(リュギィー)に変更。L'HUGGY(リュギィー)は創業家萩原の萩(ハギ)に由来したものです。
日本古来の品種を原料に日本独自のワイン造り
世界品質のワインを醸造するためにまず重要なのが産地形成です。持論ですが、ワインとは個性です。例えば世界で広く栽培されているメルロ種を醸造原料としてワインを造り続けても甲州が世界的なワインの産地として認められる事はありません。つまり甲州の個性を持った、日本にしか出せない味を目指さなければ甲州で醸造する意味がありません。
勝沼が日本におけるブドウの発祥の地であることはよく知られています。その日本最古の品種とは甲州種であり、さらに甲州種のなかでも日本最古の樹であろうと言われているのが、大和葡萄酒の管理する指定文化財「甲龍」(樹齢約130年)です。 大和葡萄酒ではその「甲龍」と、同様の指定文化財の三森甲州(樹齢約100年)より枝分けした甲州種のブドウなどを使用した日本独自のワインを醸造しています。
その他、竜眼(樹齢90年)、甲州三尺、紫葡萄など、日本の古来品種のブドウからも、ワインを醸造しています。
萩原保樹氏が語るワイン造り
100年、200年先の産地を見据えたワイン造りを