ボデガス・トリデンテ エントゥレスエロ・テンプラニーリョ 2016
ラベルは、土壌からベストを掘り出すことをイメージしたものです。銀色の部分は、土の持つ力を表現しています。「エントゥレ」は『の間で』、「スエロ」は『地面』を意味します。ワンランク上のキュヴェ「トリデンテ」には使われなかったタンクのものがこのワインになります。収穫は手摘みで行い、ステンレスタンクで発酵します。その後、フランス産オーク樽で6ヶ月間熟成します。
テイスティング・コメント
紫がかったエッジの濃いルビー。深みがあり、粘性は高め。焙煎したコーヒー豆やエスプレッソ、ビターチョコなどの深い香りをヒントに、ブラックベリーやブラックチェリー、プルーン、クローブやシナモンなどのスパイス、バルサミコが混じり合う。加えてタバコ、木材、鉛筆の芯、土、ミネラルのニュアンスが複雑性を与える。アタックは強くなめらか。ジューシーかつ濃厚な果実味で様々なベリーフルーツにスパイス、スモーキーなオークの風味がアクセント。丸く、艶やかなタンニンが絡み合うシルキーな舌触りで、ボディには厚みが感じられる。アルコール感のある力強い酒質、程よく酸度もあり、しっかりと味わいを支えるフルボディ。余韻は持続性があり、果実とオークのフレーヴァーとともに心地よい渋みが残る。充実した飲み応え。
ボデガス・トリデンテ
旧来のフミーリャのイメージ刷新の立役者となった生産者、ボデガス・フアン・ヒル。ワイン・アドヴォケイトで極めて高い評価を受け、世界的な注目をフミー リャに向けさせました。ボデガス・トリデンテはそのボデガス・フアン・ヒルをはじめとするヒル・ファミリー・エステーツのブランドの一つです。
ワインメーカーはフランク・ゴンザレス氏。彼は、フミーリャのスーパー・スパニッシュと絶賛されるボデガス・エル・ニド(ヒル・ファミリー・エステーツの一つ)で、オーストラリアの天才醸造家クリス・リングランドの助手として働いていました。フランクは、エノロゴの勉強をしてきたわけではありませんが、味覚が優れています。葡萄を食べて、葡萄の熟成具合を見極める能力が誰よりも勝っています。これは勉強して学べることではありません。総合エノロゴのバルトロが、彼の才能を買い、エノロゴとして育ててきました。
ヒル・ファミリー・エステーツ
現当主はミゲル・ヒル。9人兄弟の6番目です。1916年に曾祖父フアン・ヒル・ヒメンスがフミーリャにワイナリーを設立した時から歴史が始まります。その息子(ミゲルの祖父)ゲレロもワイン造りに関わり、孫にあたるゴンザレス(ミゲルの父)が引継ぎ、兄弟とともにワイナリーを強固なものになり、現在に至っています。
ヒル・ファミリー・エステーツでは各地に醸造・販売拠点を設けています。一つのワイナリーを大きくするのではなくて、質の高い小さなワイナリーを複数持つ方が、最終的に品質を高く保て、消費者に喜ばれると考えています。そのため、それぞれのワイナリーは D.O.も醸造責任者も違いますが、その営業活動から運営のコンセプトに至るまで、まるで一つの会社のように成り立っているのです。80%が輸出で、スペイン国内向けは20%です。
グループのワイナリーの共通のコンセプト
1.土着品種にこだわる
2.古い樹齢の保護と伝承
3.知名度は低くても、伝統的な上質なワイン地域への参入