シャトー ピエルボン 2009
醗酵: コンクリートタンクとステンレスタンク
熟成: オーク樽8カ月(225L、フランス産)後、コンクリートタンクとステンレスタンクにて14カ月
テイスティング コメント
濃いガーネット。香りは熟したプラム、ブラックベリー、リコリスのアロマが広がりスモーキーなオークの香りが深みを与える。バニラやビターチョコレートの香り、そしてクローブなどのスパイスのニュアンス。味わいはなめらかで濃密。ふくよかなボディで、高いアルコール分、力強い酒質があり鼻から抜ける香気の伸びが堪らなくいい。完熟度が素晴らしく、圧倒的なインパクト!このクラス(価格帯)で、熟成味を帯びつつ、しっかりとしたワインをお探しなら、ぜひお試しいただきたい一本。合わせるお料理は、パンチェッタ(豚バラ肉の塩漬け)、牛フィレ肉のロースト、ビーフシチュー、トマト煮込みなど。
2022年4月試飲
シャトー ペイラボン / シャトー ピエルボン(セカンド ワイン)
シャトー ピエルボン
シャトー ピエルボンはシャトー ペイラボンのセカンド ワインです。お値打ち価格で熟成したオー メドックのワインを楽しむことが出来ます。
シャトー ペイラボン
メドックの北部サン ソヴール村が本拠地のクリュ ブルジョワ級のシャトー。シャトー ペイラボンは2003年のクリュ ブルジョワに格付けられたシャトーで安定した品質のワインを毎年リリースしている優良シャトーです。その歴史は古く、1766年の設立当初からワイン造りが行われています。メドックの格付けには選出されませんでしたが、1875年にシャトーで貴族の集まるコンサートが開催された記録があり、ヴィクトリア女王も出席したとされています。知人にしか販売していなかったため、ほとんど世間に出回る事がなく、幻のワインと呼ばれた時期もありました。1998年にシャトーはパトリック ベルナール氏がオーナーとなり多額の投資を行い、近代的な技術を取り入れ生産量、品質ともに向上しています。ワインは完熟した果実、スモークの香り、しっかりとした骨格。熟成による複雑さのある味わいと長い余韻が楽しめます。生産量の60%を輸出しています。
フランスAOCワイン事典(発行者 株式会社 三省堂)より抜粋
オー メドック Haut-Médoc
ボルドー市の北西、ジロンド河左岸に伸びる全長120kmのワイン生産地域のうち、上流域、つまり南側の29コミューン(市町村)にまたがる地区をオー メドック地区と呼ぶ。この地区は多くの名門格付けシャトーをもつポイヤック、マルゴーなどの6つの村名AOCがあることで特に名を知られている。これら6つのAOCの生産地区以外の畑のブドウから、法で定められた一定の生産基準に準じて造られた赤ワインは、「オー メドック」というAOCで市場に出される。
有名な1855年のメドックの公式格付けで「クリュ クラッセ」に選ばれたシャトーのうち、AOCオー メドックのアペラシオンを名乗るものは5シャトーである。また、村名AOCワインを造っている名門シャトーが、価格が求めやすく、しかも品質が高いワインを「オー メドック」のアペラシオンで出していることも多く、ワイン愛好家から高い評価を得ている。
ボルドー地方、とりわけオー メドック地区のワインの繁栄をもたらしたのは諸外国、特にイギリスやオランダとの交易である。これらの国々はボルドーワインの品質向上にも大きな役割を果たした。例えば、オランダからはブドウ園の拡大をもたらした干拓技術と、ワインの腐敗を遅らせるために樽を硫黄で殺菌するという技術を学んだ。また、イギリスとの取引によってワインを樽ではなくガラス瓶に詰めて、コルク栓で閉めるスタイルが初めて導入された。