シャトー カルボニュー ブラン 2020
熟成:オーク樽熟成10カ月(新樽25%)
評価
2020VT ジャームス サックリング: 93 - 94点獲得
テイスティング コメント
僅かにグリーンがかったイエローの色調。香りは白桃、梨、青リンゴ、白い花のアロマにライム、グレープフルーツの皮、スパイスのノート。樽香は控えめで、美しくフレッシュな香りが魅力的。口当たりはなめらかでふくよかなボディ。凝縮感がありフルーツのコンポートを思わせるエキス分に溢れ、上品な酸とミネラルがしっかりとした骨格を形成。爽やかさに加えてまろやかなコクを感じる。たっぷりとした味わいで余韻は長くエレガント。
合う料理 魚介料理、甲殻類、鶏肉のグリル、シャルキュトリーなど。
2023年8月試飲
シャトー カルボニュー
講談社「BORDEAUX ボルドー 第4版」ロバート・パーカーJr.著より抜粋
カルボニューはグラーヴでも最大規模のシャトーの一つである。1980年代半ばまでは、ペサック=レォニャンにある他の多くのシャトーと同様のパターンに陥っていた。すなわち、白ワインは、おいしく出来ることが多いが、赤ワインは無味乾燥で軽く、個性がなかったのである。1980年代半ば以降はよくなり、白ワインは一層高品質になる一方、赤も、おいしくてエレガントでしなやかな、出来の良いワインとなってきた。
ここは、歴史的な重要性はもとより、この地域で最も風向明媚なシャトーである。その歴史は13世紀まで遡ることが出来るが、現代のカルボニューの歴史は、1956年にマルク・ペランがこのシャトーを買った時に始まったと言える。現在では息子のアントニがワインづくりを監督している。アントニ・ペランが、1980年代半ばに高名なドニ・デュブルディユーを雇い入れた結果、白ワインに一層の芳香と凝縮感がもたらされたのだ。さらに、赤ワインも深みと強烈さを大幅に増している。
赤も白も、カルボニューのほとんどのヴィンテージは、7年から10年のうちに飲むべきである。白ワインの中には、20年ないし30年寝かせられる可能性を秘めたものもある。
一般的な評価
ヴォルネー的性格をもった、とてもブルゴーニュ風のワインであるカルボニューの赤は1985年以降、非常によくなっており、現在その格付けに見合っていると言える。時折、いささか軽さが感じられることもあるが、それは控えめではあるが上品でエレガント、しなやかでおいしいこのワインの様式である。長命なワインを探している消費者は敬遠すべきワインであるが、フルーティで骨の髄までエレガントなグラーヴの愛好家なら、ほとんどのヴィンテージで満足を得られるだろう。価格は未だに適正である。白ワインについては、常に秀逸であり、ヴィンテージによっては非常に長熟である。