ファー ニエンテ カベルネ ソーヴィニヨン ナパ ヴァレー 2020
ファー ニエンテの伝統ワインであり、比類のないカベルネの栽培者および生産者としての40年間の遺産を物語っています。このワインは、カリストガ、オーク ノール、セント ヘレナ、スタッグス リープ、ダイアモンド マウンテン、ヨントビルの厳選されたブドウを使用。ファー ニエンテのハウススタイルを体現しており、ナパ ヴァレーのカベルネにふさわしいすべてを代表しています。実際、これらの多様なブドウ畑の融合により、ほとんど考えられないレベルでナパ ヴァレー カベルネを造ることが可能になりました。
テイスティング コメント
艶のある濃いガーネットの色調。香りはダークチェリーやラズベリーなどの果実香、ラベンダー、ドライハーブ、タイムやクローブなどのスパイスのヒント。そしてトースティなオークの香りにレザー、紅茶葉の香りなど。味わいはしなやかで凝縮感がありシームレスなタンニン、繊細でふくよかさと丸みを携える。甘さを抑えたベリーフルーツ、紅茶、チョコレートを思わせ、溶け込んだ樽感。スパイシーかつ上品な芳しさが果実味を引きたてる。バランスのとれた酸味。エレガントで伸びやかな余韻をもつ。
合う料理 赤身肉のロースト、スペアリブ、ラムチョップのバルサミコソース、すき焼きなど。
2024年1月試飲
ファー ニエンテ
ファー ニエンテはジョン ベンソンによって1885年に設立されました。彼は、1849年のゴールドラッシュでカリフォルニアに到来した、「フォーティ ナイナー」世代の一人であり、画家のウィンスロー ホーマーの叔父にあたります。ベンソンは、クリスチャン ブラザーズ ワイナリー(現CIA)やグスタフ ニーバム ワイナリー(現イングルヌック)を手がけた建築家、ハムデン マッキンタイヤーを採用し、ワイナリーをデザインさせました。ワイナリーは1919年まで繁栄を続けましたが禁酒法により運営停止、その後60年間、ほとんど手付かずのまま放置されました。1979年、ギル ニッケルがこのワイナリーと隣接する畑を購入し、3年間におよぶ修復工事が始まりました。ワイナリーの建物は美しく生まれ変わり、後にアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されます。「ファー ニエンテ」という名前は、ワイナリーの建造物の正面に「Far Niente」と掘られた石材が建設当初から埋め込まれていたことに由来します。これは、イタリア語で「何もしない心地よさ」を意味します。
1982年、収穫されたシャルドネとカベルネ ソーヴィニョンの発酵が始まり、およそ69年ぶりにファー ニエンテでの醸造が再開されます。1979年から1982年までは、ワイナリーがリフォーム中だった為、収穫されたシャルドネは別の場所で醸造をし、販売しました。ファー ニエンテは、現在でもシャルドネとカベルネ ソーヴィニョンのみに特化したワイナリーです。
オークヴィルの西側の斜面に建てられたファー ニエンテは重力移動式ワイナリーで、ワイン醸造のそれぞれの段階でブドウを丁寧に優しく扱います。業界最高水準の醸造技術、こだわりのハウス スタイル、自社畑でのブドウ栽培、社会的責任への取り組み等、ファー ニエンテが世界で愛され続ける理由はここにあります。
ファー ニエンテの過去と現在は1998年再結合しました。その年、ファー ニエンテ スイート マスカットの1886年ヴィンテージがマリン カウンティの個人宅のセラーで発見されました。そのボトルはオリジナルのラベルに、コルク、キャップシールがそのまま残り、現存する無傷で最古のカリフォルニアワインとされています。セピア色のラベルには、ハンモックからブドウの房が溢れている様子が描かれていて、ベンソンの甥で画家だったウィンスロー ホーマーがデザインしたとされています。ファー ニエンテの現在のラベルは1979年にアーティストのトム ロドリゲスによってデザインされました。彼は姉妹ワイナリーのドルチェ、ニッケル&ニッケル、オンルート、ベラ ユニオンのラベルのデザインも手がけています。
ファー ニエンテにはワイナリーが建てられた丘の斜面を掘削して作られたカーヴ(約3,700平方メートル)があります。これは設立当初ジョン ベンソンが夢見ていたプロジェクトであり、ギル ニッケルがその夢を引き継ぎ、20年間かけて工事を行い完成させた物です。現在このカーヴには、2,500ものフランス産オーク樽に眠るワインがリリースを待っています。また、「カーヴ コレクション」としてじっくりと熟成された後にリリースされる貴重なオールド ヴィンテージも貯蔵されています。