ポール ジャングランジェ アルザス リースリング 2023
花や柑橘類を想わせる香りで、まっすぐでピュアな味わいのワインです。
醗酵: 50%オーク樽(フードル)、50%ステンレスタンク(天然酵母/MLF無)
熟成: 50%ステンレスタンク、50%オーク樽 6カ月
テイスティング コメント
明るいレモンイエローの色調。香りには白い花とライム、マンダリン、白桃、洋梨などの果実香。そして爽やかなミント、スパイスのニュアンス。味わいはなめらかでピュア。ドライ感がありしっかりとした酸とミネラルに支えられ、まっすぐに伸びるエレガントな余韻。生き生きとしていながらふくよかさを兼ね備えており、たっぷりとした果実味が魅力。
合う料理 前菜、シーフードのマリネ、寿司、鶏肉・ソーセージと野菜のポトフなど。
2024年5月試飲
ポール ジャングランジェ
「フランスの最も美しい村」で400年の歴史を誇る造り手
ドメーヌ ポール ジャングランジェは、エギスハイムの地に1636年に設立された由緒ある造り手です。ドメーヌのあるエギスハイム村は「フランスの最も美しい村」の一つにも数えられるアルザス地方でも有数の美観地区で、美食の街としても知られています。
ストレートな魅力を放つアルザス
ドメーヌの規模は大変小さいですが、「アイシュベルグ」と「ペルシベルグ」の二つのグラン クリュを所有しています。現在は、2000年にドメーヌを継いだ 13代目のミッシェル氏とその妻ロレットが中心となりワイナリーを運営しています。地元フランスでは上記2つのグラン クリュがレヴュ デュ ヴァン ド フランス誌で居並ぶビッグ ネームと肩を並べ最高評価を獲得するなど、近年グングンと頭角を現してきています。また、亜硫酸の使用も最小限に抑えられており、その造りは「自然派」と呼んでもいいほど。ミッシェル氏の造るワインは、きれいな酸にささえられたストレートな魅力を放つスタイルが特徴です。
世界各地で経験豊富な醸造家!
バカロレアS(大学入学資格)取得後、ランス大学の醸造科に進学、在籍中には「ランソン社」にてインターンシップを行い、アルザスにて限りなくシャンパーニュに近いスタイルのスパークリングワインを造るため、技術を習得し、大学ではエノロゴの資格も取得します。醸造学を修めた後は、ディジョン大でコマーシャル学のマスターを取得、在籍中にブルゴーニュのプレステージワインで有名な、「アルマン ルソー」にて、ニュイのように品のあるピノ ノワールの醸造を学ぶため、インターンシップを経験。その後、南アフリカと南アメリカのチリにて、フランスとは違ったタイプのワインの醸造を学び、チリのワイナリーでは醸造責任者にまでのぼりつめました。2000年にアルザスに戻った今でも、醸造をしに行く年もあり、コンサルタントをしています。
かぎりなく自然に近い農法(ビオロジックを実践)
除草剤の使用は一切せず、初春から土地の耕作を行い、地中の微生物の動きを活発にさせるという目的で行われます。アルザスには自然派の生産者が多く存在しますが、彼らの畑の手入れというのは、農薬や除草剤を使わず、雑草は伸ばしたい放題というのが多く、ミッシェル氏の考えとは、意見が違うことが多いのが実情です。
3ヶ月に渡る長い収穫期間
アルザスは夏から秋にかけての温度差は激しいのと、立地によってかなりブドウの完熟進行が異なるため8月の下旬~11月下旬までは収穫が続く。(通常のスティル ワインは収穫が初秋に行われるが、ヴァンダンジュ タルディヴやセレクション ド グラン ノーブル等の遅摘みワインや粒よりのワインはブドウの完熟度が異なるため、晩秋の収穫になることも考えられるため)
収穫は全ての区画に頻繁に足を運び、実際に口に含んだ上で分析にかけ、官能検査を行ってから開始。全て収穫は家族親戚総動員、季節労働者を雇った上、手摘みで収穫を行います
随所に細心の注意を払う
■ワイン造り
可能な限り自然環境を配慮し、バラエティ豊富で高品質なワインを世に送り出すこと。
■醸造について
できるだけ人工的に自然な微生物や酵母からくる動きを邪魔しないようにすること。
■醸造・熟成について
醗酵中の温度管理や熟成中の温度管理等に最新の注意を払うこと。
果汁の質に徹底的にこだわる
■圧搾
ブドウをプレスする圧搾機は、バルーン式でゆっくりと時間をかけて行われます。ジャングランジェのような小さなワイナリーでこの設備を持つことは大変な投資になりますが、こうすることで、雑味のない非常にきれいで繊細な果汁を搾り取ることができ、ミッシェル氏の目指す「ストレートでピュア」な魅力のあるワインができるのです。