ドメーヌ・ジャック・プリウール コルトン・ブレッサンド グラン・クリュ 2012
手摘みで収穫後、100%除梗。木の開放式発酵槽でマセラシオン。1日1回のピジャージュ。
100%MLF後、樽熟成は17か月。
【テイスティング・コメント】
紫がかった濃い目のルビー。粘性は中程度より高め。香りにはブラックベリーやブルーベリー、ブラックチェリーのコンポート、スミレやバラの花束、燻したハーブ、シナモンやペッパーなどのスパイスのノート。加えてトースティなオーク、なめし革、紅茶の葉、インク、タバコ、砕石、ミネラルのニュアンスが複雑性を与える。時間の経過とともにリコリスやカラメルのような香りが現れ仄かに甘いブーケが魅惑的。アタックはソフトでなめらか。しっとりとした舌触り、膨らみ豊かな果実味で様々なベリーやチェリー、花、リコリス、スパイシーなオークの風味が一体となる。凝縮度が高く、含んだミネラルがアクセントとなり洗練さをもたらし、穏やかで上品な酸が味わいを程よく引き締める。新鮮で含み香の広がりが素晴らしく、キメ細かなタンニンが溶け込む丸いテクスチャー。芳醇かつエレガントなスタイルで、余韻に香りと味わいの要素が見事に集約されている。早くから楽しめるが熟成させたい逸品。すぐ飲むのであれば早めの抜栓かデカンタージュがオススメ。バキュバン無しの二日目の変貌が凄い。
※2016年4月試飲
■ドメーヌ・ジャック・プリウール
ドメーヌ・ジャック・プリウールは18世紀末にムルソーに設立されたブルゴーニュでも屈指のドメーヌの1つで、所有者はエドワール・ラブリュイエール氏。ラブリュイエール氏はボージョレのムーラン・ナヴァン出身。1830年に創設されたドメーヌ・ラブリュイエールの6代目。一族が1988年にジャック・プリウールを買収し、94年にはボルドー・ポムロールのシャトー・ルジェを購入。ラブリュイエール氏は、ボルドーでブローカーの経験を積み、2008年からプリウールを指揮するなどワイン業界において精力的な活動を行っています。
ドメーヌ・ジャック・プリウールは、モンラッシェ、シャンベルタン、ミュジニィなど9つのグラン・クリュと14のプルミエ・クリュを含む21ヘクタールの畑を所有しています。1990年より、女性醸造家ナディーヌ・ギュブラン氏を迎えて見事に品質を向上させました。フランスの有名ワイン専門誌“ラ・ルヴュー・デュ・ヴァン・ド・フランス”で1997年に女性で初めてベスト・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに輝いた実力者です。類まれなるテロワールを重視したワインは美しい色合い、複雑なアロマ、そして芳醇な味わいを湛えています。
ラブリュイエール氏は「DNAにワイン造りが刻まれている。優れた畑を所有している以上、テロワールをきちんと表現する使命がある」という。日本は米国に続いて、プリウールの2番目の輸出市場として重視しています。指揮をとるようになって、設備投資を行い、サステイナブル(持続可能)な手法を導入しています。
・太陽光パネルを設置し、雨水をためて循環使用している。
・二酸化炭素削減のため、08年から25%軽量のボトルを使用。
・ワインケースは木箱からスタイリッシュな段ボールに変更。
・コルクは2つの業者から仕入れ、厳しいチェックをしている。‥等
1997年からビオロジックを導入し、明確に品質が向上したといいます。2009年からムルソー・クロ・ド・マズレーとボーヌ・シャン・ピモンでビオディナミを採用しています。