ポール・ルイ・マルタン コトー・シャンプノワ ブージィ・ルージュ グラン・クリュ 2009
シャンパーニュ地方で認められているスティル・ワイン(非発泡性ワイン)。
【テイスティング・コメント】
オレンジがかったエッジのルビー。粘性は中程度。香りには野生のベリーやプラム、チェリーリキュールを思わせる熟れた果実香にリコリス、バラのドライフラワー、ドライハーブ、スパイシーなオークの香りがアクセント。広がりが豊かで仄かに甘いニュアンス。加えて樽からくる白檀やジャーキー、カラメルなどの香り、なめし革、紅茶、腐葉土、下草、ミネラルの香りが更なる複雑性を与える。アタックはソフトでなめらか。凝縮感のあるジューシーな果実味が瞬く間に広がり、キメ細かなタンニンが絡み合う。熟成によりそれぞれの要素が溶け込む軽やかな印象にもしっかりとした酸度が感じられ、味わいの均衡が見事に保たれている。ミネラルを含む緻密な構造(ミディアムボディ)、香り同様に仄かな甘さが心地よい。フィニッシュは引き締まっていてエレガントな余韻を持つ。合わせるお料理は仔羊や鴨肉のロースト、ジビエ、カツオのタタキ、茸とベーコンのソテー、ソーセージなどがおすすめ。
※ 2016年5月試飲
■ポール・ルイ・マルタン
ポール ルイ・マルタンは、1864年にモンターニュ・ド・ランスの南部に位置するブージィで創立されたRM(レコルタン・マニピュラン/葡萄生産者元詰シャンパーニュ)です。 創立者のルイ・マルタン氏は、ブージィの協同組合を設立することにも注力し、設立時のプレジデントにも選出されている著名な人物です。 その後、1929年に息子のポールが後を継ぎ、伝統と品位を重んじたワイン造りを行っています。
ブージィ村は、シャンパーニュにある僅か17のグラン・クリュの中でも特に優れたピノ・ノワールを育む産地として有名であり、素晴らしい赤ワインの産地としても知られています。 白亜質の土壌で、イースト・サイドに位置する南向きの顕著なグラン・クリュの畑は、隣接している山により北風からも保護されている独自のテロワールを保っています。
所有する畑は7ha。この単一畑から年間およそ60,000本のみという極めて小規模な生産です。この上なく複雑でリッチなスタイルは、シャンパーニュの中でも屈指のグラン・クリュ「ブージィ」の個性と特徴を正に表現した極上のシャンパーニュと言えます。