ドメーヌ・ベルトー・ジェルベ フィサン レ・クロ 2015
畑・土壌:1ヘクタール 石灰岩、泥灰土 樹齢:20~70年
最高樹齢で60年、90年の古木が植わる。1級畑に匹敵するワインを生みだします。
醸造:4日間低温マセラシオン、天然酵母、コンクリートタンクでアルコール発酵。1日に1~2度のルモンタージュ、ピジャージュ。ポスト・マセラシオン(発酵後浸漬)5日間。 熟成:マロラクティック発酵後、12カ月樽熟成。(新樽30%)、エルバージュ17カ月。濾過、清澄せず。
テイスティング・コメント
紫がかったやや濃いルビー。粘性は中程度。香りにはラズベリーやカシス、プラム(仄かにジャム)などの果実香、スミレ、バラのドライフラワー、ドライハーブ、リコリス、木樽由来のバニラやお香、シナモン、トーストなどの芳しいオークのノート。そしてカカオやトリュフ、枯れ葉、大地、ミネラルのニュアンスが加わり、複雑さに加えて温かみが感じられる。アタックはソフトでなめらか。テクスチャーのある、程よく肉付いた果実味はまろやかで、現時点において、香りにややバニラが勝る(決して嫌みではない)。しかしながら味わいはオークの要素が既に溶け込んでおり、リッチさと十分な奥行きを持つ。親しみやすさに加えて、タンニンは柔らかく純粋な美味しさが込みあがる。新鮮かつ芳醇なピノ、ジュヴレの近郊にあり男性的と称されるアペラシオンにあって繊細さが兼ね備わっている。合わせるお料理は、牛フィレや鴨肉のロースト、豚肉の蒸し煮、ジビエ、チキンのシチュー、赤身魚のカルパッチョ、春巻きなど。
2018年2月試飲
ドメーヌ・ベルトー・ジェルベ
マルサネ村とジュヴレ・シャンベルタン村に挟まれたフィサン村を本拠地とするドメーヌ・ベルトー。その歴史は19世紀の終わり、数ヘクタールのフィサンから始まりました。1974年、現当主のアメリー・ベルトー氏の父ドゥニとその兄ヴァンサンらがベルトーを相続し、フィサンを中心に畑を拡大し、ワイン造りを行ってきました。27歳という若さで(1988年3月生まれ)ドメーヌ・ベルトーの当主となったアメリー・ベルトー氏は、ボルドーで醸造学を学んだ後、アメリカやニュージーランドでの研修を積みました。彼女で7代目となり、2013年がファーストヴィンテージになります。
フランソワ・ジェルベから一部の畑を相続
アメリーは父ドゥニのドメーヌを引き継いだのと同時に、母方であるフランソワ・ジェルベからも一部の畑を相続しました。フランソワ・ジェルベと言えば、ご存じヴォーヌ・ロマネ村の銘醸で、相続した畑にはジェルベの代名詞ともいえるヴォーヌ・ロマネの一級畑プティ・モンや特級畑のエシェゾーが含まれています。今日では、フィサンを中心にジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネなど全て合わせて13ヘクタールの畑を所有しています。
栽培と醸造 畑はビオロジックで管理
畑はビオロジックで管理しています。テロワールを尊重した安定した土壌のもとでブドウは栽培されています。殺虫剤の使用は制限を設け、土には化学薬品を使用していません。除葉、グリーンハーヴェストによりブドウの成熟が最適になるように風通しを良くしています。醸造は厳しい選果の後、コンクリートタンクにて発酵させます。約5日間の低温マセラシオンを行い、天然酵母による発酵。1日2回のルモンタージュ、発酵の最終段階でピジャージュして優しく抽出します。約5日間のポスト・マセラシオン(発酵後浸漬)。ほぼ全てのワインは1,500~3,000リットルの大樽(フードル)でマロラクティック発酵。熟成は新樽をほとんど使用せず、最大で24か月と比較的長い熟成期間を要します。
マイナー産地フィサンからアペラシオンを牽引するドメーヌが誕生
優れたブルゴーニュを発掘してきたワイン商セルベ社のワッサーマンやブルゴーニュ・オージュルデュイ誌といったフランスでも名高いメディアが、彼女のワインについて絶賛しています。
ワッサーマンによる称賛の言葉
『フィサン村は長らく旗艦となるドメーヌを渇望していました。そして今、アメリーの手によって、ベルトーがフィサンを牽引するドメーヌへと戴冠するのです』。
ブルゴーニュ・オージュルデュイ誌
「ブドウ畑の未来の星」というテーマで当主アメリー・ベルトーを『ブルゴーニュの新しい世代を象徴する人物』として紹介。