ドメーヌ・ベルトー・ジェルベ ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ ルージュ 2015
畑・土壌:1.6ヘクタール 浅い表土、石灰岩・泥灰土 樹齢:平均40年
2013年に母方フランソワ・ジェルベより相続。1970年に植樹したニュイ・サン・ジョルジュ近郊の区画。常に他の区画より15日ほど収穫が遅くなります。
醸造:4日間低温マセラシオン、天然酵母、コンクリートタンクでアルコール発酵。1日に1~2度のルモンタージュ、ピジャージュ。ポスト・マセラシオン(発酵後浸漬)5日間。 熟成:フードル(大樽)でマロラクティック発酵。フードルで10カ月熟成。
テイスティング・コメント
紫がかったルビー。粘性は中程度。香りにはストロベリーやクランベリー、チェリーなどの赤い果実香にアイリスやバラ、ハイビスカスなどのフローラルなアロマ。そしてリコリス、特徴的なハーブの香りやトマトの葉、ローズヒップ、シナモンやクローブなどのスパイスの香りが混じり合う。魅力的な芳香が広がり鮮明かつエレガントな趣。アタックはなめらかでシルキーな舌触り。軽快な口当たりの下、果実味はピュア。生き生きとした酸とのバランスがよく香味の広がりが素晴らしい。率直で堅固な個性が光り、タンニンは控えめで味わいはマイルド。アペラシオンを反映しつつ繊細なピノ・ノワールの個性が物の見事に表現されている。合わせるお料理は、鴨や仔羊のロースト、牛タン、軽くスパイスを効かせた料理、治部煮、焼き鳥など。
2018年2月試飲
ドメーヌ・ベルトー・ジェルベ
マルサネ村とジュヴレ・シャンベルタン村に挟まれたフィサン村を本拠地とするドメーヌ・ベルトー。その歴史は19世紀の終わり、数ヘクタールのフィサンから始まりました。1974年、現当主のアメリー・ベルトー氏の父ドゥニとその兄ヴァンサンらがベルトーを相続し、フィサンを中心に畑を拡大し、ワイン造りを行ってきました。27歳という若さで(1988年3月生まれ)ドメーヌ・ベルトーの当主となったアメリー・ベルトー氏は、ボルドーで醸造学を学んだ後、アメリカやニュージーランドでの研修を積みました。彼女で7代目となり、2013年がファーストヴィンテージになります。
フランソワ・ジェルベから一部の畑を相続
アメリーは父ドゥニのドメーヌを引き継いだのと同時に、母方であるフランソワ・ジェルベからも一部の畑を相続しました。フランソワ・ジェルベと言えば、ご存じヴォーヌ・ロマネ村の銘醸で、相続した畑にはジェルベの代名詞ともいえるヴォーヌ・ロマネの一級畑プティ・モンや特級畑のエシェゾーが含まれています。今日では、フィサンを中心にジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネなど全て合わせて13ヘクタールの畑を所有しています。
栽培と醸造 畑はビオロジックで管理
畑はビオロジックで管理しています。テロワールを尊重した安定した土壌のもとでブドウは栽培されています。殺虫剤の使用は制限を設け、土には化学薬品を使用していません。除葉、グリーンハーヴェストによりブドウの成熟が最適になるように風通しを良くしています。醸造は厳しい選果の後、コンクリートタンクにて発酵させます。約5日間の低温マセラシオンを行い、天然酵母による発酵。1日2回のルモンタージュ、発酵の最終段階でピジャージュして優しく抽出します。約5日間のポスト・マセラシオン(発酵後浸漬)。ほぼ全てのワインは1,500~3,000リットルの大樽(フードル)でマロラクティック発酵。熟成は新樽をほとんど使用せず、最大で24か月と比較的長い熟成期間を要します。
マイナー産地フィサンからアペラシオンを牽引するドメーヌが誕生
優れたブルゴーニュを発掘してきたワイン商セルベ社のワッサーマンやブルゴーニュ・オージュルデュイ誌といったフランスでも名高いメディアが、彼女のワインについて絶賛しています。
ワッサーマンによる称賛の言葉
『フィサン村は長らく旗艦となるドメーヌを渇望していました。そして今、アメリーの手によって、ベルトーがフィサンを牽引するドメーヌへと戴冠するのです』。
ブルゴーニュ・オージュルデュイ誌
「ブドウ畑の未来の星」というテーマで当主アメリー・ベルトーを『ブルゴーニュの新しい世代を象徴する人物』として紹介。