シャトー・ラセグ 2008
テイスティング・コメント
エッジがオレンジがかったガーネット。粘性は高め。香りにはプラムソースにチェリー、八角、ドライハーブ、リコリスが混じり合い、ローストしたオークのノートがアクセント。バニラやコーヒー、トースト、杉、クローブなどのスパイシーな香りが加わる。そして皮革、腐葉土などの熟成香、動物的なニュアンスも感じられ、複雑で魅力的なブーケが鼻腔をくすぐる。口に含むなめらかでソフト。しっとりとした舌触りで、タンニンは豊かだが綺麗に溶け込んでいる。テイストは丸く、リッチな果実味で、集約した旨みが感じられる。柔らかに広がるボリューム感と層状のテクスチャー。熟成によりフィネスを纏い、長く続く余韻をもつ。合わせるお料理は、牛フィレや鴨肉のロースト、ジビエ、煮込みハンバーグ、茸料理など。
2018年11月試飲
シシャトー・ラセグ
シャトー・ラセグはボルドーの右岸、ユネスコの世界遺産にもなっているサン・テミリオンに あるシャトーです。カリフォルニアの大手ワイナリー、ジャクソン・ワイン・エステートが所有し、パーカーポイント100点を13回獲得したソノマのプレミアムワイン「ヴェリテ」を手掛けるフランス人醸造家ピエール・セイヤン氏が、祖国フランスで造るワインです。
銘醸トロロン・モンドやパヴィの近くに畑は位置し、東南&南西向きで日照がとてもよい恵まれた立地にあります。17世紀建てられた美しいシャトーの正面にある日時計の飾りは、シャトーの畑に注ぐ「太陽」としてのシンボルであり、その象徴と してラベルに描かれています。
醸造家ピエール・セイヤン ~畑からのたたき上げの人生~
代々ワイン造りに携わってきた家系出身のピエール・セイヤン氏は、フランスの南西ガスコーニュ地方の出身。彼のワイン造りの歴史はアルマニャック地方に家族が所有する畑でカベルネ・フランやメルロなどのぶどう栽培に関わったことから始まります。その後ボルドーへ移り、数十年ワイン造りの経験を深め、1997年にケンダル・ジャクソンの故ジェス・ジャクソンに「ソノマでワールドクラスのワインを造らないか」と誘われカリフォルニアに渡りました。そして「ヴェリテ」で、素晴らしいボルドー品種のワインを造り出し、自分自身のマイクロ・クリュの哲学を完成させました。世界有数の技能をもった醸造家として、彼の名声は不動のものとなりました。彼はワインメーカーではなく、今もヴィニュロン(ぶどう栽培醸造家)として活躍しています。2017年に46回目の収穫を終えたセイヤン氏は、大学に醸造学がない世代で「全て畑から学んだ」と微笑みます。
「現代の伝説」とまで言わしめたワイナリー「ヴェリテ」・・・今までに獲得した100点はトータルでなんと13回!(2018年調べ)
醸造家:ピエール・セイヤン氏