クロスター・エーバーバッハ シュタインベルガー・リースリング・カビネット 2016 やや甘口
熟成:ステンレスタンク
テイスティング・コメント
明るいレモンイエローに微かにグリーンのトーン。粘性は低め。香りは芳醇かつエレガントな趣で、リンゴのコンポートやグアバ、洋梨、ライムなどの果実香にジャスミン、ホワイトペッパー、ミネラルのヒント。そしてほんのり甘い蜜のニュアンス。味わいも繊細で、上品な甘さが心地よい。ジューシーで風味が豊か、柔らかに広がる果実味が溢れ出る様で、生き生きとした酸とのバランスがよい。キリリとした、豊かな酸を感じつつ、しとやかな果実の旨み・甘味が堪能できる。ボディはミディアム。甘さがスッキリとしており料理との相性も◎。合わせるお料理は、野菜とシーフードの生春巻き、スパイスを効かせたアジアン料理、天ぷら、和食など。
2019年3月試飲
クロスター・エーバーバッハ醸造所
ラインガウの銘醸畑
エーバーバッハ修道院と醸造所から成るクロスター・エーバーバッハはもともと1135年創立のシトー派の修道院で、1803年に俗化した後は州立醸造所となりました。当初はプロイセン州、1918年以降はヘッセン州に属し運営されていましたが、州政府は決して商売上手ではなく、1998年には財団法人となって醸造所も完全に独立運営されることになりました。
総面積197ヘクタールの畑はラインガウ地方とベルクシュトラーセ郡一帯に広がり、中には最上級の区画も少なくありません。セラーやボトリング施設を含む醸造所はエトヴィルの町に集約され、そのすぐ近くには世界的にも有名なクロスター・エーバーバッハ修道院が控えています。1136年に遡るこの修道院はシトー派の修道士によって設立されました。全盛期の12~13世紀には200~300人の修道士たちが常時ここに暮らしていたといいます。
中でも修道僧たちによって開墾され、1230年代に完成されたとされるオルツタイルラーゲ「シュタインベルク」24ヘクタールは最も有名であり、彼らの故郷ブルゴーニュのクロ・ド・ヴージョと様式を同じくする高い石の塀に囲まれた特別な区画です。ラインガウ・リースリングの引き締まった酸味とエレガントでフルーティな風味は抜群です。