デュヴァル=ルロワ ブリュット・ナチュール ブラン・ド・ブラン 2002
ドザージュをせずに造られるブリュット・ナチュールです。
4世紀に作られた石灰岩に覆われたセラーで最長8年熟成。
ドサージュ:0g/L
【テイスティング・コメント】
豊かな泡立ちをもつ黄金がかったイエロー、繊細な気泡が緩やかに立ち上る。香りは芳醇で複雑性に富み、熟したグレープフルーツやドライアプリコット、カモミール、ジンジャー、ミント、仄かに蜂蜜を思わせる。他にヘーゼルナッツやイースト、バゲットなどの芳ばしい香り、チーズ、スパイシーな木材のニュアンス。白亜のミネラルのノートはまさにコート・デ・ブランならではのもの。口に含むと、クリーミーでなめらかな発泡が心地よい。熟成感はもちろんだが果実味は依然としてピュア、ミネラルを豊富に含みフィネスの中にもしっかりとした構造が感じられる。味わいが充実した辛口、フィニッシュは引き締まっていてハーブや果実のフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は和食全般、帆立貝のムニエル、チキンのトマト煮、アスパラガスと鶏もも肉のポン酢蒸しなどがおすすめ。
※ 2016年8月試飲
■デュヴァル=ルロワ
革新的に質を追求するメゾン
1855年、非公式で行われた最初のシャンパーニュ格付けを目にしたシャンパーニュ商人アルマン・ルロワは、優れたシャンパーニュ造りにはブドウ栽培から醸造に至る一貫した品質管理が不可欠と気付きました。彼はパートナーとなる醸造家を時間をかけて探し、志を同じくするデュヴァル家とともに1859年、コート・デ・ブラン南、ヴェルテュ(Vertus)にデュヴァル=ルロワを設立しました。その後、デュヴァル=ルロワ家は各地区にまたがる日当たりのよい丘陵地の畑を買い増し続け、6代に亘りメゾンを継承しています。
デュヴァル=ルロワでは、収穫後のブドウを新鮮な状態で圧搾するため、5つの村に16機の圧搾機を設置しています。シャンパーニュ・メゾンとして初めてISO9002を取得し、徹底した品質管理システムを導入しました。さらに再生可能エネルギーの投資を積極的に行い、太陽光電池パネルによる電力供給やオフィス・醸造内からの廃棄物を10年 以上保証するリサイクル・マネージメントなどを実施しています。
またデュヴァル=ルロワは、すべてのキュヴェにおいて、ベースとなるワインの清澄に動物性食品(カゼイン(牛乳由来のタンパク質)、 ゼラチン、卵白など)を一切使用していません。タンクと樽内でのワインの静置期間を通常よりも数カ月間延ばすことで、清澄化を行っています。デュヴァル=ルロワでは、消費者の動物性食品に対する食物アレルギーに対応するため、20年以上に亘ってこうした取り組みを行っています。
有数のグラン・クリュ、プルミエ・クリュの所有者
デュヴァル=ルロワはグループ企業に属さないシャンパーニュの独立メーカーとして、モンターニュ・ド・ランスとコート・デ・ブランに200haのプルミエ・クリュ(一級畑)とグラン・クリュ(特級畑)を所有し、とりわけコート・デ・ブランでは、最大級のプルミエ・クリュの所有者として知られています。良質なブドウを豊富に供給できるという利点は、NVキュヴェのクオリティの高さと安定した質にも見てとることができます。またデュヴァル=ルロワは、ネゴシアン・マニュピュランとしてオーガニック認証の畑を所有する数少ない生産者で、最初に有機認証畑のブドウからシャンパーニュをリリースしたメゾンでもあります。
キーワードは、「女性」「繊細さ」「気品」
1991年、若くして夫に先立たれ当主となったキャロルは、女性のサンドリーヌ・ロジェット=ジャルダンをシェフ・ド・カーブに迎え入れ、女性ならではの「繊細さ」と「気品」をキーワードに独自のスタイル と個性を追求したシャンパーニュ造りに力を注いできました。 同社の新しいアイデンティティを創造するものとして造られたプレステージ・キュヴェ「ファム・ド・シャンパーニュ(シャンパーニュの女性)」は、今日のデュヴァル=ルロワの象徴ともいえるシャンパーニュです。グラン・クリュのブドウを瓶内で長期熟成させ、力強い個性を放ちながらも、エレガンスとフェミニンさに満ちた明確なアイデンティティを表現しています。
オーナー:キャロル・デュヴァル=ルロワ氏