ヴァンサン エ ソフィー モレ シャサーニュ モンラッシェ プルミエ クリュ レ ザンブラゼ 2017
南東の丘。ガロ ロマン時代にAmbassacius(アンバサシウス)と呼ばれた村に位置。常にアロマが溢れる女性的なワイン。繊細で優雅できれいな丸みを帯びています。長熟タイプ(5から10年)。
テイスティング コメント
外観は明るいゴールド / レモンイエロー / ほんのりグリーン。香りはサンザシ、洋梨、レモンのアロマと火打ち石、砕いた岩、ミネラルのノート。そしてバター、蜂蜜の香り。口に含むとなめらかで、厚みのある果実味とミネラルが調和しストラクチャーを形成。そこに精緻な酸が加わり、パワフルにして非常にエレガントな印象を醸し出している。しっとりと深い味わい。フレッシュで、優美な丸みを帯び余韻の長さも突出している。合わせるお料理は、白身肉や魚介のグリル、オマールやフォワグラの蒸し焼き、ホワイトソース 白身肉料理、中華など。
2021年11月試飲
ヴァンサン エ ソフィー モレ
父親譲りのリッチで大柄な造り、ベルナール モレの直系後継者
シャサーニュ モンラッシェの銘醸家として、その名を知られたベルナール モレも引退。2006年を最後のヴィンテージとし、所有畑はふたりの息子、ヴァンサンとトマに分け与えられました。その長男ヴァンサンが、サントネイ出身の妻ソフィーとともに運営するドメーヌが、ヴァンサン エ ソフィー モレです。
ブドウ畑は双方の実家から継承し、総面積は20haとかなりの規模。全量元詰めとはせず、一部はネゴシアンに桶売りしています。白はシャサーニュ モンラッシェ中心、赤はサントネイ中心のラインナップとなり、ドメーヌの至宝である特級バタール モンラッシェやピュリニー モンラッシェ1級トリュフィエールも所有(弟のトマときれいに等分したため、それぞれ0.1ha、0.25haと小さくなりました)。サン トーバン1級シャルモワ(白)、マランジュ1級フュシエール(赤)にも畑を所有しています。
因みにシャサーニュの1級アンブラゼはもともとモレ家が大地主なうえ、ソフィーの実家であるメナジェ ベラン家も畑を有するため、このクリマの総面積5.19haのうち、4分の3に相当する3.79haをヴァンサンとソフィーが耕作しています。
醸造法は父ベルナール譲りです。圧搾後の果汁をデブルバージュの後、小樽発酵。新樽率は40%前後と比較的高い値ですが、それに対して熟成期間は10ヶ月と短めで、2週間に一度バトナージュを行います。
ヴァンサン モレイの造る白ワインはリッチでパワフルなスタイルが特徴です。赤ワインは無除梗の全房醸造、50%新樽を用いて14ヶ月熟成させます。たっぷりした果実味が前面に押し出され、タンニンも十分に溶け込んだ柔らかいスタイルです。
面白いのはバタール モンラッシェで前述のように弟のトマと畑を等分しましたが、ヴァンサンは斜面下部、トマは斜面上部を取得。畑の上下で差が生じないよう、ブドウの圧搾は一緒に行い、果汁を半分ずつ分けて各自別々に醸造を行っています(兄弟仲がよい証)。往年のベルナール モレを彷彿させるそのワインに、心をときめかすファンも多いはずです。