ツァーヘル ゲミシュター サッツ ゼクト エクストラ ブリュット 2016
ウィーンの南、標高385mとウィーンで最も高いところにある、リード クロイスベルグの畑。石灰岩岩盤に砂岩層の土壌。
ゲミシュター サッツとはフィールドブレンドの事で、異なるブドウ品種の樹を同じ畑の中に混植し、共存するという独特の手法です。ブドウは同じ日に同時収穫し、醗酵させます。この手法で出来上がったワインはそれぞれのブドウの最も良い特製を表現します。ゲミシュター サッツのワインでスパークリンを作ろうというアイディアは叔父のリチャードの発想です。叔父はウィーンでホイリゲ(居酒屋)を営んでいるため、自身の店でゲミシュターサッツのスパークリングを提供したいと、2004年から販売を開始しました。
醸造: ベースとなるワインはステンレスタンクで低温発酵(16℃)を行った後、さらに4か月間滓とともに熟成させ、ボトリング、18か月の瓶内熟成を経て、シャンパン方式同様にデゴルジュマンを行います。この作業はツァーヘルの友人であるシュルンベルガー(ウィーン市内北西部にあるオーストリア最古のスパークリングワインメーカー)にて行われ、エクストラ ブリュットのスタイルのスパークリングワインに仕上げています。
テイスティング コメント
微かにグリーンがかった明るいレモンイエロー。爽やかなシトラスや白桃、アカシアのアロマが広がり、仄かにフリンティで、ナッツや香ばしいブリオッシュのニュアンスが漂う。口に含むとフレッシュで生き生きとした印象。ドライ感がある中で僅かに果実の甘さを感じエクストラ ブリュットだが、フレーヴァーへと繋がる果実感、その自然な甘さ(フルーティーさ)が何とも心地よい。上質なミネラルをバックボーンにストラクチャーがしっかりとしておりバランスの良さが光る。合わせるお料理は、サラダ類、前菜、シーフード料理、寿司など。
2021年10月試飲
ツァーヘル
ツァーヘルのワイナリーは1766年マリア・テレジアによって“マウワー”の小学校として建てられました。ツァーヘル家は3世代に亘ってワイン造りを行っています。わずか0.5ヘクタールの畑から、ホイリゲは4つのテーブルから始めました。今日ツァーヘルはウィーンでも最も有名な畑ヌスベルクなど、ウィーン全ての葡萄生産地に畑を持つまでに成長しました。日本へは2005年以来毎年安定した品質のホイリゲ(新酒)を輸出しており、日本市場におけるホイリゲワインの草分け的存在です。エステートのロゴの「バタフライ蝶」は自然な葡萄栽培を象徴しています。
ウィーナー ゲミシュター サッツ DAC ヌスベルク
ウィーンのトップ畑 ヌスベルクのキャラクターが存分に発揮された優良ワイン。使用されている葡萄はツァーヘルが所有する畑の中でも最も街中にあるシングル ヴィンヤード「Preussen プロイセン」「Weissleitenヴァイスライテン」から収穫しました。これらの畑はウィーンの有名な丘、海抜330mの高台にある「ヌスベルク」に位置します。ブドウの樹の樹齢は45年以上の古樹。それゆえ収量は少なく、凝縮した味わいのワインを生み出します。ツァーヘルらしい優しい味わいのワインです。
ホイリゲとは
ホイリゲはオーストリアを代表するワインですが、ホイリゲの故郷といわれるウィーンで造られるホイリゲが本場のホイリゲと言えます。“ホイリゲ”には2つの意味があり、1つはその年収穫してできた“新酒”のことで聖マーティンの日(11月11日)から1年間ホイリゲとして飲まれます。もうひとつはそのホイリゲワインをだす“居酒屋”のことをさします。
ホイリゲ=居酒屋の歴史
ホイリゲと呼ばれる居酒屋の歴史は今から220年以上前に遡ります。マリア テレジアの息子である皇帝ヨーゼフ2世はウィーンの葡萄農家に「自家製ワインを小売し、簡単な食事を供してよい」という特別許可を与えました。