シャルル ペール エ フィーユ ヴォルネイ プルミエ クリュ レ フルミエ 2021
美しいアタック、しなやかなタンニン、エレガントな味わいが楽しめるヴォルネイ
畑で選別しながら手摘みで収穫し、さらにセラーに運んだ後、振動式の選果テーブルで丁寧に選別します。発酵は28度に温度コントロールしながらコンクリートタンクで15日間(全体の30%は全房)行います。発酵期間中、朝と夜に1回ずつ、ピジャージュ、ルモンタージュを行います。熟成は228Lのフレンチオーク樽で12ヶ月行います。熟成後は清澄せず、軽くフィルターをかけてボトリングします。スミレやチェリーの美しいアロマがあります。口に含むと素晴らしく美しいアタック、シルキーでしなやかなタンニンがあり、長い余韻が続きます。年間生産量は約3000本。
テイスティング コメント
淡いルビーカラー、落ち着いた色調のローブ。香りはレッドチェリー、カシス、スミレ、シナモン。続いてオレンジの皮の香りや紅茶、下草のヒント。樽香は控えめで、可憐で繊細なアロマをもつ。口に含むとソフトでなめらか。ベルベットのような優しい質感、味わいもまた可憐で愛らしく、赤いベリーやチェリーにスパイシーハーブ、軽くローストしたオークの風味が絶妙。シャルルのワインはどれも自然体で飾らず、素朴さと滋味がある。ボディは中庸、ミディアムでエレガントな余韻。
合う料理 鶏肉の照り焼きやロースト、しゃぶしゃぶの胡麻だれ、ジビエなど。
2023年12月試飲
シャルル ペール エ フィーユ
オート コート ド ボーヌの昔ながらの個人生産者
シャルル ペール エ フィーユはオート コート ド ボーヌの中心、ナントゥー(Nantoux)を拠点とする家族経営のドメーヌです。近年のブルゴーニュでは、気候変動の影響で、アルコール度数14%のワインが珍しくないばかりでなく、中には15%を超えるものも出てきています。そんな中で、コート ド ボーヌよりも標高が高いオート コート ド ボーヌのエリアの評価が見直されており、少しずつ注目を集め始めています。ブルゴーニュらしい美しい酸とミネラルを備えたワインをお探しの方には、ぜひともおすすめしたいエリアです。ナントゥーは、ボーヌの町から約8km西にあり、ジャスパー モリスMWは『ブルゴーニュワイン大全』の中で、「オート=コートの中核を成す村で、あちらこちらで造り手の看板を見かけることができる。モンショヴェとシャルルのどちらが好みかわからないときは、この村に来ればどちらも選び放題だ」と述べています。
『ジャンシス ロビンソン.com』の2021年4月19日付の記事、「Even more 2019 burgundies」ではトップにパスカルとポリーヌの写真が挿入され、「この造り手は素晴らしい発見でした。私はこの父娘のコンビネーションによる2019VTのワインがとても好きで、このテイスティング ノートがこの生産者の初レビューであることを反省しています」、「全てのワインに感銘を受けた」と、ジャンシス ロビンソン自らが評し、6銘柄のテイスティングコメントを掲載しています。
1988年、フランソワの息子パスカルが父からドメーヌを引き継ぎました。そして2015年には、パスカルの娘ポリーヌが加わり、新たにシャルル ペール エ フィーユを立ち上げました。2021年には、ポリーヌの妹であるマリーが参加しています。また、ポリーヌは自分たちのワインを親しみやすい雰囲気の中で味わってもらいたいと考え、「La table de Pauline(ポリーヌの食卓)」というレストランを開いています。
合計で14haの葡萄畑を所有しており、その内10haがオート コート ド ボーヌ、残りの4haがヴォルネイ、ポマール、ムルソー、ボーヌにあります。その他にシャブリやマコン、ジュヴレ シャンベルタン、ニュイ サン ジョルジュなどのワインも生産しています。また、自然環境に配慮した葡萄栽培、ワイン生産を行っており、2021年3月にはフランス農水省のHVE(環境価値重視)認証を取得しています。ワイン造りは伝統的な方法で行います。葡萄は手作業で収穫した後、選果テーブルで選別し、除梗します。数年前から試験的に全房発酵も行っています。発酵は10~15日間、手でピジャージュし、空気圧プレスで圧搾します。熟成は樽で行い、ボトリングの前まで澱と一緒に寝かせます。