ヴィエ・ディ・ロマンス ディス・クミエリス マルヴァジーア・イストリアーナ 2014
醗酵:ステンレス・タンクにてアルコール醗酵。低温マセラシオン8℃、醗酵温度16~19℃、醗酵期間 20日間
熟成:ステンレス・タンク熟成8ヶ月(澱とともに)/瓶熟成10ヶ月以上
【テイスティング・コメント】
グリーンがかった淡いゴールド。粘性は中程度よりやや高め。香りにはアプリコットやライチ、マスカットなどの果実にフジ、スイカズラ、グレープフルーツの皮、ムスク、鉱物、ミネラルのノート。新鮮味に溢れた力強い果実香、奥からは仄かに甘い蜂蜜の香り。次第にアーモンドや火打石などのスモーキーなニュアンスが現れさらなる複雑性が増す。アタックは爽やかでなめらか。凝縮した果実味と生き生きとした酸味、そして豊富なミネラルが織りなす繊細にしてしっかりとした構造をもつ。くっきりとした輪郭と、ボディには力強さと厚みが感じられ、口当たりはスムーズでしなやかさを兼ね備える。飲み応えのあるピュアな果実感、アフターにかけてはオイリーで、果実のフレーヴァーとともに酸の余韻が心地よい。合わせるお料理は、和食全般、寿司、豚や鶏肉のソテー、グラタン、クリームソースのパスタなどがおすすめ。
※ 2016年11月試飲
■ヴィエ・ディ・ロマンス
イタリアで最も尊敬され、信頼を集める北イタリア白ワインの巨匠、ジャンフランコ・ガッロ氏。1世紀もの間、ガッロ・ファミリーの手によって大切に守られ、築き上げられてきたブドウ栽培とワイン造りは、彼の手によって歴史的改革が進められ、その惜しみない情熱と努力、愛情から世界中のワイン愛好家を魅了して止まないワインへと成長を遂げました。ワインには、独特の深みと奥行き、そして比類なき洗練があり、イタリア最高峰と呼ばれるに相応しい品格を呈しています。
スロヴェニアとの国境に近いイタリア最北東イゾンツォ川の北側にヴィエ・ディ・ロマンスの畑は広がります。伝統ある醸造所の歴史は今から約1世紀前まで遡ることができます。創立以来 『 Gallo 』 の名前で親しまれていましたが、アメリカのガッロ社との関係上、1986年登録名称の変更を余儀なくされ、ワイナリーがローマ街道の道沿いにあることから街道名と同じ、現在の名称である『ヴィエ・ディ・ロマンス Vie di Romans 』(=ローマ人の道 )に社名を変更しました。
現オーナーは、3代目当主(兼醸造家)ジャンフランコ・ガッロ氏。チビターレの農業専門学校でブドウ栽培と醸造コースを専攻。1978年、17歳の時父が経営しているワイナリーに参画しました。経営方針から品質に至るまで劇的な改革に着手し、同年自社ブランド(自社瓶詰め)を立ち上げます。1990年には単一畑でのワイン造りを開始し、同年、白ワインの醸造法を確立しました。全ての白ワインはブドウ収穫後醸造・熟成と最低2年の月日をかけて出荷されます。
テロワールを構成する4大要素「人間」「気候」「ブドウ品種」「土地」
ジャンフランコ・ガッロ氏は「良いブドウを作るにはテロワールを構成する4つの要素を理解することが不可欠。すなわち《人間・気候・ブドウ品種・土地》。その中で最も重要な要素は《人間》である。」といいます。決して投資目的や流行に流されるのではなく、良いワインを造るにはテロワールに最も適したブドウ品種を栽培し、凝縮したブドウを作り、完熟期を迎えたブドウを最高のタイミングで収穫することだ、というのが彼の哲学であり、これこそが人間の果たすべき役割であると考えているからです。
良いワインを造るための3つの法則
1.テロワールに最も適したブドウ品種を栽培し、
2.凝縮したブドウを作り、
3.完熟期を迎えたブドウを最高のタイミングで収穫
そしてその思いは長年彼を突き動かし、ブドウ栽培の研究に没頭させてきました。彼のカタログやHPからも、どれだけ多くのデーターが蓄積されているか想像することができます。ここまで細かく一つ一つのワインの情報を一般に公開する造り手がどれ程いるでしょうか。几帳面すぎるとも言える彼の性格は長年に渡り彼を畑に向かわせ、あの素晴らしいワインたちを誕生させたのです。