ヴィルジニー・ド・ヴァランドロー 2009
シャトー・ド・ヴァランドローとは別の区画で造られ、セパージュはメルロ主体にカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、マルベック。
熟成:18~20ヶ月(新樽100%)
ワイン名は、オーナーであるジャン・リュック・テュヌヴァン氏の愛娘の名前に由来。
★評価
2009VT ワイン・スペクテーター:90‐93点獲得!
2009VT ワイン・アドヴォケイト:94点獲得!
【テイスティング・コメント】
エッジが赤紫がかった濃いガーネット。深みがあり、粘性は高め。香りにはブラックベリーやブラックチェリー、ドライフラワー、ブラックペッパー、タバコ、ローストしたオークのノートがアクセント。バニラの香りが際立つ魅惑的な芳香。お香やエスプレッソ、ココアパウダー、ダークチョコなどの芳しい香りが広がり、トリュフ、なめし革、タールの香りが続き複雑性が増す。アタックはソフトでなめらか。果実味は豊かな凝縮味で熟した果実にリコリス、スパイシーかつローストしたオークの要素が一体となる。タンニンは継ぎ目がなくシルキーで、酸も調和がとれており口当たりがスムーズな、質感をもつ。純粋で柔らかなボディ感、親しみやすい味わいにもエレガンスと優雅さを備えており上級シャトーの片鱗を覗かせる。フィニッシュはドライ、華やかで持続性のあるアフター。合わせるお料理は、牛や仔羊、鴨肉のロースト、スモークサーモン、茸料理、鶏のジビエなど。
※2017年8月試飲
■シャトー・ド・ヴァランドロー
シャトー・ド・ヴァランドロー
講談社「BORDEAUX ボルドー 第4版」ロバート・パーカーJr.著より抜粋
ヴァランドローがどのくらいよく熟成するか、一般の評価はもちろんまだだが、ワインは途方もなくリッチで、凝縮感があり、すばらしくくっきりした輪郭がある。1994年、1993年、1992年といった難しいヴィンテージですら、並外れた出来だった。ヴァランドローは、世界中の大金持ちのワイン・コレクターが、サン=テミリオンのどのシャトーのワインよりも探し回る小さな宝物となった。テュヌヴァンを批判する声は耐えないが(多くはボルドーの貴族的なシャトーの嫉妬である)、彼の影響力は広大し続けている。
彼は最も引っ張りだこのコンサルタントの1人であり、秀逸さへの執心とこだわりは、彼の途方もない味覚(同じぐらい才能のある彼の妻の助けが大きい)と共に、サン=テミリオンとその衛星地区の多くの凡庸なワインをよみがえらせてきた。品質にこだわる消費者の意識に、これらのワインを最も人気のあるものとして植えつけたのである。テュヌヴァンは、ミシェル・ロランと並んで、新しい世代のヴィニュロンたちに対し、もっともっと高い品質のワインをつくるよう刺激を与えてきた人物である。そのおかげで、ボルドー全体が多大な恩恵にあずかっている。
一般的な評価
ヴァランドローは、サン=テミリオンのガレージ・ワイン運動の事実上のリーダー格であるジャン・リュック・テュヌヴァンがつくったシャトーであり、現在まで、ボルドー最高のサクセスストーリーであることに間違いない。ボルドーで、いやそういう意味ではどこの地方であれ、シャトーができてからこんなに短期間でこれだけの商業的な成功を収め、目が回るような高い価格をつけたワインはない。ヴァランドローへの熱狂はすさまじく、価格は一級シャトーと同じくらい高いか、ひょっとすると上回るほどである。