カーサ・ヴィニコラ・ニコレッロ ネッビオーロ・ダルバ 1999
醗酵:ステンレス・タンク/主醗酵後、マロ・ラクティック醗酵
醸造:オーク樽熟成 48カ月以上(5,500L、新樽比率20%)/瓶熟成 6カ月以上
テイスティング・コメント
輝きのあるガーネット。粘性は高め。香りにはクランベリーやドライイチジク、プルーンなどの果実香にリコリス、バラのドライフラワー、八角、紅茶、木樽由来のバニラのノート。あるいは生地に果物を混ぜ込んで焼いたフルーツケーキのようで、スパイシーな香りをアクセントに甘やかなニュアンスが広がる。そしてタバコや腐葉土などの熟成香があらわれる。アタックはソフトでなめらか。果実味は19年の熟成を経るもなお瑞々しく、豊かな酸と甘いタンニンがバランスよく溶け込んでいる。しっとりとしていて程よい酸度、輪郭がくっきりとしたエレガントな仕上がり。幾分軽やかな印象(ミディアム‐フル)も、香味の広がりが素晴らしく味わいは充実感がある。合わせるお料理は、鴨や仔羊のロースト、ミートローフ、茸のリゾット、パスタなど。
2018年5月試飲
カーサ・ヴィニコラ・ニコレッロ
バローロの歴史と伝統、そして土地から生まれる味わい
「ニコレッロ」社の歴史は古く、1900年初頭、ワイン造りの伝統が根付いたピエモンテ州のランゲとロエロの丘陵にワイナリーが設立されました。とても勤勉で生真面目、先祖代々ブドウ農家だったニコレッロ社のオーナー、カゼッタ氏はこの地の気候・土壌・ブドウを熟知しており、ワイン造りと自然環境への配慮、ブドウの選別には常に心を砕き、より自然なワインをつくる為に熱心に技術革新と設備投資を続けています。
また、「熟成されてこそ、ネッビオーロは真の実力を発揮する」という信念をもとに、タンニンの強い品種だからこそ大樽でゆっくり熟成させるという伝統的製法にこだわってきました。ワインは飲み頃になるまで出荷はされず、飲み頃が過ぎたものについては販売を行わないと強い信念をもっています。
ニコレッロのワインには常に強烈な情熱が感じられ、栓を開けた瞬間にその味・香り・ニュアンスの虜になってしまいます。このランゲ&ロエロ丘陵の小さな奇跡と知性が詰まっていると言っても過言ではない、彼らのワインをどうぞご賞味ください。