レ・コルティ キャンティ・クラシコ 2014
醗酵:ステンレス・タンク/28℃で15日間/主醗酵後、ステンレス・タンクにてマロ・ラクティック醗酵
熟成:セメント・タンク&オーク樽熟成 12カ月
テイスティング・コメント
エッジが朱色がかった濃いルビー。粘性は中程度より高め。香りにはラズベリーやチェリー、ドライトマト、ドライフラワー、ピンクペッパー、なめし革、落ち着いたやさしい樽香には白檀やシナモン、クローブなどのスパイスを思わせる。飾り気がなく純粋な果実香を尊重した品のよい香りの中に、森やハーブの爽やかさが感じられる。アタックはソフトでなめらか。熟成により味わいは丸く酸味は伸びやか、甘辛のバランスがとれておりメリハリが効いている。赤い果実の豊かな風味が広がり、芯の通ったミネラルと酸が味わいを程よく引き締める。今もなお活気があり純粋さそのもの、その素朴さには伝統を感じさせる。柔らかでしなやかなテクスチャー、アフター・フレーヴァーの広がりが素晴らしい。合わせるお料理はミートローフやハンバーグ、ソーセージ、スモークサーモン巻き、鯛のカルパッチョ、ペンネアラビアータなど。
2018年2月試飲
レ・コルティ
トスカーナにある侯爵家の中でも格上と位置づけされる名門侯爵家「コルシーニ」。現皇子であるドゥッチョ・コルシーニ氏はワインに魅入られ、虜となりました。侯爵家が1500年以上前から所有している畑の葡萄を用い、彼が情熱を注いで造り上げたワインはサンジョヴェーゼとメルロの「ドン・トッマーゾ キャンティ・クラシコ」。'99年ヴィンテージでは見事『ガンベロロッソ』3グラスを獲得しています。皇子の個性を現しているかのように力強い凝縮度の高さや樽からくる高貴なバニラの香りは人々を魅了してやみません。
イタリア一の激戦区、マレンマ地区
何世紀もの間マレンマ地区は開拓不可能な湿地帯だと考えられてきました。しかしボルゲリ・サッシカイアの登場で、アンティノーリ、オルネッライア、そしてアンジェロ・ガイヤも参入し、土地の値段は高沸。いまや、イタリア一の激戦区と言えます。
コルシーニ家はこのマレンマ地区に2500haの土地を所有しています。それだけの土地があれば、莫大な面積のブドウ畑をもつことができます。しかし、オーナー、ドッチョ・コルシーニ氏はそのうち最良の条件をもつ18haのみをプレミアムワイン用の畑とし、後は野生のイノシシ、鹿、鳥などの生息地、そして家族の憩いの場として残すことにしました。
テヌータ・マルシリアーナの存在をワインを通して表現する
最高の条件の畑でつくられるのが、フラッグシップであるワイン、「マルシリアーナ」。名匠カルロ・フェリーニ率いる精鋭醸造チームがこのテロワール独自の味わいをもつワインをつくるため、あらゆる葡萄品種の栽培、醸造研究を重ねながらつくりあげたワインです。
オーナー、ドッチョ皇子と、醸造チームが目指すのは単にワールドワイドクラスのワインをつくることではありません。このテヌータ・マルシリアーナの存在をワインを通して表現すること。それは、毎年変化してゆきます。ファースト・ヴィンテージの2000年は、「La Partenza 旅立ち」と名付けられ、ラベルのポートレイトは、コルシーニ家が代々受け継いできたものを使っています。まるでロイヤルコペンハーゲンのプレイトのように、何十年後も人々の心をかきたて、今始まったばかりのこのマルシリアーナのストーリーを見守ってくれることでしょう。