ヴァレンタイン・ヴィンヤーズ トリーズ・ブロック カベルネ・ソーヴィニヨン 2006
熟成:フレンチオークにて約20ヶ月
テイスティング・コメント
エッジが朱色がかった暗赤色。粘性は高め。完熟したプラムやカシス、ブラックベリーの香りに、タール、ナツメグ、ドライハーブのヒント。濃縮感があり、さらにイチジクなどのドライフルーツの香りもあらわれる。そしてバニラやトフィー、チョコなどの芳しい樽香、なめし革や動物的なニュアンスも感じられる。口に含むと、ソフトでしなやか。しっとりとしていて、シルクのようにキメ細かなタンニン、程よく酸が感じられる。完熟した果実に、コンポートのような甘さがあり、味わいはとても親しみやすいもの。立体的で、厚みとともに強い粘性が感じられ、質感は程よく、フルボディにして重たさを感じさせない。アフター・フレーヴァーはオー・ド・ヴィのようで、広がりが素晴らしい。合わせるお料理は、牛・ラム肉のロースト バルサミコソース、ビーフシチュー、焼き肉、バーベキュー、茸のリゾットなど。
2019年2月試飲
ヴァレンタイン・ヴィンヤーズ
ソノマの北端からわずか500mに位置するメンドシーノのエコー・ヴァレー。ワインのラベルにその地名を見ることはなくとも、そのブドウは数々の有名ワイナリーに長年愛されてきました。ワイングロワーとしてこの地に根付いたバスク出身のヴァレンタイン氏はこの盆地が生み出す昼夜の寒暖差を利用して凝縮感とエレガンスを併せ持つ高品質なブドウを作り続けてきました。
また、彼は近隣の優良な生産者に依頼し、最良の区画から採れたブドウで、ほんの数百ケースですが自身の名を冠したワインも造っていました。それらのワインは高品質でありながら積極的には販売はせず、そのほとんどがストックされていたようです。
そして2015年、残念ながらヴァレンタイン氏はこの世を去ることになり、彼のプライベートストックが特別にリリースされることになりました。このトリーズ・ブロックは、御嬢さんの名を冠したスペシャル・キュヴェです。比較的冷涼なヴィンテージだった2006年の凝縮感に熟成感が加わり、フルボディにして重たさを感じさせない飲み心地よい味わいに仕上がっています。