ファルネーゼ ファンティーニ モンテプルチアーノ・ダブルッツォ コッリーネ・テラマーネ 2012
畑は単一畑で南東向きの斜面、土壌は粘土土壌です。収穫は手摘みで行い、醸造所で2回選別します。除梗、破砕し、20日間醸しをします。ステンレスのタンクで醗酵させ、バリック(新樽、1年樽、2年樽各1/3)で18ヶ月熟成後、6ヶ月瓶熟しています。
テイスティング・コメント
赤紫がかった濃いガーネット。深みがあり、粘性は高め。香りには熟したブラックベリーやカシス、プラム、赤い花、タールやブラックペッパーなどのスパイス香。樽由来のバニラやビターチョコ、ロースト香が複雑性・奥行を与え、他に土、ミネラルのニュアンスが混じり合う。力強く凝縮感がただよう豊かな芳香。アタックはソフトでなめらか。凝縮度が高く濃厚な果実味で穏やかな酸味が調和。旨みがたっぷりとしていて、もちろん辛口だが果実の自然な甘さを感じることが出来るジューシーな味わい。良質なタンニンが溶け込むシルキーな舌触り、ふくよかな立体的構造を持つ。アフターにかけてカカオやビターチョコのような適度な苦みが味わいの均衡を見事に保っている。コクを備えたフルボディ。重口にして柔らかな口当たりは、幅広い層から支持を得るだろう。
ファルネーゼ
「ファルネーゼ」が設立されたのは1994年ですが、ファルネーゼ家がワイン生産に携わったのは1582年(オルトナ市にて)に遡ります。その昔、当時のファルネーゼの王子と結婚したオーストリアの王女マルゲリータがこの地を訪れた時、そのすばらしい風景と気候に我を忘れ、この地で生活することを決心し、質の高いワインを造るため、この土地に身を捧げました。そしてそのワインは間もなくヨーロッパの王室のテーブルに現れることとなったのです。
自家所有葡萄園は合計で150haあり、モロリバー・ヴァレーの北側の斜面に位置し、それは太陽の恵みを受けるために最高の条件であることを意味しています。そして高度9000フィート、海から18マイルのところにあるマレイア山脈は、高品質のワインを産み出すために理想的なミクロクリマを産み出します。また、買い葡萄は、農家と5年単位で契約。量で買い取るのでなく、4、5月にアグロノミストが畑を回り、良い畑をha単位で買い取ります。1軒当たり平均2haと大きくないため、量より質を重視した栽培が出来、収穫も良いタイミングで出来ます。ファルネーゼは、収穫量を制限し最新技術と伝統的な手法をうまく組み合わせ、コストパフォーマンスに優れたワインを産出しています。例えば、全ての樽のラックにはローラーが付いており、1ヶ月に1回樽を回してバトナージュと同じ効果を得ています。
ワインは、数々のワインコンクールで高く評価され、国際的にその名を知られています。さらに、カンパーニャのヴェゼーヴォ、シチーリアのザブを所有しており、バジリカータのヴィニエティ・デル・ヴルトゥーレ、プーリアのフェウディ・ディ・サン・マルツァーノに出資しています。いずれのワインもそれぞれの名前で出荷されています。
ルカ・マローニで、幾度となく最優秀生産者に選出される実力派
価格と品質と両面からの評価による、『消費者向けのイタリアワインガイドの決定版』ともいえる辛口ワイン評価誌『ルカ・マローニ(ANNUARIO DEI MIGLIORI VINI ITALIANI)』で、幾度となく最優秀生産者に選出されるアブルッツォ州を代表する生産者です。ファルネーゼは何度も生産者の頂点に君臨し、数々のワインコンクールで高く評価され国際的にその名が知られています。