ベルナール・デュガ・ピィ シャルム・シャンベルタン グラン・クリュ 2015
平均樹齢:40年
熟成:オーク樽にて15~18ヶ月
平均年間生産量(本数):800~1000本
テイスティング・コメント
2/3が本来のシャルムで1/3がマゾワイエール。スミレのようなフローラルさにフレッシュなラズベリー、赤スグリ、カシスなどの果実。色合い深く、凝縮感溢れる一方、タンニンはまろやかでしなやかな味わい。酸味とのバランスも優れています。
インポーター資料より
ベルナール・デュガ・ピィ
カルト的な人気を誇る生産者
従兄のクロード・デュガと並び、カルト的な人気を誇るベルナール・デュガ・ピィ。当主のベルナール・デュガはとてもエネルギッシュな人物です。日に焼けた顔。がっしりとした体格、巨大な手。日々、農作業に勤しむ姿がその風貌からも想像できます。
近年になってコート・ド・ボーヌにもブドウ畑を広げ、現在、所有畑の総面積は10ha。しかし、その要がジュヴレ・シャンベルタンであることに変わりはありません。村名ジュヴレ・シャンベルタンは複数の区画をアッサンブラージュした「キュヴェ・クール・デュ・ロワ」のほか、単一クリマで醸造される「レ・ゼヴォセル」。1級はフォントニ、コルヴォー、ペリエールをアッサンブラージュした畑名なしのキュヴェのほか、単一クリマものの「プティット・シャペル」「ラヴォー・サン・ジャック」「シャンポー」。特級は「マジ」「シャルム」「マゾワイエール」、そして王様「シャンベルタン」。2003年にすべての畑をビオロジック栽培に転換完了しました。
ご存知のとおり、特級マゾワイエール・シャンベルタンは隣接するシャルム・シャンベルタンを名乗ることも可能ですが、このドメーヌでは別々に醸造しています。正確にいえば、マゾワイエールが3分の1混ざったシャルムとマゾワイエール単独のワインがあります。最初に所有したマゾワイエールはシャルムと近接した区画で、土壌的な差が見られなかったため、シャルムに混ぜてひとつのキュヴェとしました。一方、2004年に新たに買い足したマゾワイエールは、グリザールの谷間から流れ出た洪石土により畑の表面を大きな石が覆います。ワインの性格もまったく違うため、ベルナールは単独のキュヴェにしました。試飲の順番はシャルムの後にマゾワイエール。後者のほうが圧倒的に堅牢なスタイルのワインです。
醸造法はクロード同様、低温マセレーションはなし。一方、完全除梗のクロードに対し、ベルナールはアペラシオンによって梗を残します。特級についていえば、量の少ないシャンベルタン(量的に恵まれた年でも1樽しか出来ない)とマジは100%全房。マゾワイエールは60~70%、シャルムは40~50%の梗を残しています。1級以上はすべてフランソワ・フレールの新樽100%熟成です。
「ジュヴレ・シャンベルタンは長期熟成させるべきワインだから、十分な抽出が必要」というのがベルナールの考えです。たとえ恵まれないヴィンテージであろうとも、彼のワインはとびきり濃厚な色調で人々を驚かせます。だからといって過度に重いワインかといえばそうではありません。緻密な構造とキメの細かなタンニンを中心に置きながら、新鮮味(ベルナールは遅摘みをよしとしない)も感じさせるバランスのよさ。熟成させるとこれまた素晴らしいのです。