ドメーヌ ユドロ バイエ ブルゴーニュ ピノ ノワール 2017
シャンボール村内のACブルゴーニュ区画(レ リュ、レ マラディエール バッス)70%、隣のジイィ レ シトー村内のACブルゴーニュ区画(レ シャリップ、レ クロ プリウール)30%のブレンド。平均樹齢約35年。新樽10%、3~4回使用樽90%。
テイスティング コメント
光沢のあるルビーレッド。粘性は中程度。ラズベリーやチェリー、プラムのコンポートなどチャーミングな香りに、牡丹、ハーブ、紅茶、シナモンのヒント。抑えられた樽香により際立つ華やかさ、さらに透明感が感じられエレガントな趣がある。口に含むとスムーズでしなやか。果実味の集中度が高く、味わいは濃密でピュア。継ぎ目のないシルキーな舌触りで、精緻なミネラルとともにクリアーな酸味がバックボーンとなる。直線的で、輪郭がくっきりとした緻密な構造。モダンで親しみやすい印象があり、そのフレッシュさが素直に美味しい。合わせるお料理は、テリーヌやパテ、リエット、ソーセージ類、鴨肉のロースト、鶏肉のシチューなど。
2019年5月試飲
ドメーヌ ユドロ バイエ
1981年の設立以来ネゴシアンへの販売がほとんどだったこのドメーヌが、本格的に自社ビン詰めを開始したのは1998年。フランス空軍のメカニックだったドミニク ル グエンが娘婿としてドメーヌに参画してからです。醸造学校を修了した後、義父の5代目ベルナール ユドロから栽培と醸造の理論と実際を学び、2004年に独り立ちしました。
以降彼は、毎年のヴィンテージの特徴の差を上回るペースで、ワインの品質を向上させ続けてきました。15年間以上にわたってリュット レゾネ栽培を実践し続けている、実質ビオロジックの古樹畑。刷新を重ねた醸造設備。そしてドミニク自身の丁寧な仕事ぶりと磨き上げた職人の技。それらすべてが一体となって、近年の彼の作品は、真に偉大なヴィニュロンの作品のみに見られる、ひとつ上の次元に到達したように思われます。
いつもニコニコと笑顔を絶やさないドミニクですが、畑で彼と対峙する時、ゾッとするほど真剣な「ヴィニュロンの顔」が表れます。それは、畑仕事の重要性を示すものであることはもちろん、まだまだ改善することが山ほどあるという、己への厳しさの表れでもあります。
栽培:厳格なリュット・レゾネ。除草剤、殺虫剤等は一切使用しない
醸造:除梗100%。天然酵母のみで発酵、澱引きはビン詰め前に1回のみ