ドメーヌ ユドロ バイエ シャンボール ミュジニー ヴィエイユ ヴィーニュ 2019
「デリエール ル フール」「レ ナゾワール」「レ バビエール」「レ パ ド シャ」「レ モンビ」の5区画で合計1.5ha。樹齢約60~80年のVV。新樽25%、1回使用樽30%、2回使用樽45%で16ヶ月間熟成。
テイスティング コメント
紫がかったルビー、深みのある外観。アロマは濃縮感がありブラックチェリーやカシスのコンポート、ブラッドオレンジ、スミレ、バニラ、シナモンのニュアンスが折り重なり、広がり豊かな芳香。口に含むと非常にジューシーでなめらか。溢れんばかりに口内を満たしていき、繊細なタンニンと溶け込んだ酸とのバランス。柔らかな質感のある親しみやすい味わいが特徴。とはいえ力強い酒質も持ち合わせており上品かつリッチで、長く続くアフター、甘美なる余韻をもつ。合わせるお料理は、仔羊や鴨肉のロースト、赤身マグロのタプナードソース、天ぷらなど。
2022年3月試飲
ドメーヌ ユドロ バイエ
1981年の設立以来ネゴシアンへの販売がほとんどだったこのドメーヌが、本格的に自社ビン詰めを開始したのは1998年。フランス空軍のメカニックだったドミニク ル グエンが娘婿としてドメーヌに参画してからです。醸造学校を修了した後、義父の5代目ベルナール ユドロから栽培と醸造の理論と実際を学び、2004年に独り立ちしました。
以降彼は、毎年のヴィンテージの特徴の差を上回るペースで、ワインの品質を向上させ続けてきました。15年間以上にわたってリュット レゾネ栽培を実践し続けている、実質ビオロジックの古樹畑。刷新を重ねた醸造設備。そしてドミニク自身の丁寧な仕事ぶりと磨き上げた職人の技。それらすべてが一体となって、近年の彼の作品は、真に偉大なヴィニュロンの作品のみに見られる、ひとつ上の次元に到達したように思われます。
いつもニコニコと笑顔を絶やさないドミニクですが、畑で彼と対峙する時、ゾッとするほど真剣な「ヴィニュロンの顔」が表れます。それは、畑仕事の重要性を示すものであることはもちろん、まだまだ改善することが山ほどあるという、己への厳しさの表れでもあります。
栽培: 厳格なリュット レゾネ。除草剤、殺虫剤等は一切使用しない
醸造: 除梗100%。天然酵母のみで発酵、澱引きはビン詰め前に1回のみ