テヌータ・イル・ファッジェート ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノ・リセルヴァ ピエトラネラ 2009
最高に良い年しか造らない、優雅で高貴な(Nobile)ワイン
標高400mに位置するピエトラネラと名付けられた畑からのワイン。土壌は、石灰岩や石英を含む粘土質、下層土は、凝灰岩を含んでいます。畑に石英の黒い石(pietra nera)が多くみられることからこの名前がつけられています。収穫は手摘みで行い、収穫量は40hl/haです。アルコール発酵は30度以下に温度コントロールしながら行います。マセラシオンは最低でも20日以上。マロラクティック発酵と熟成は樽で行い、バリックとトノーの新樽で36ヶ月熟成。さらに瓶で6ヶ月寝かせています。
テイスティング・コメント
濃い、深みのあるガーネット。香りはチェリーやプラムなど熟した果実のアロマに、ペッパーやシナモン、クローブなどのスパイス、リコリスのヒント。そして木樽由来のバニラやモカ、香木、杉、タバコの香り。さらになめし革や腐葉土などの熟成香が加わり複雑さと奥行きが感じられる。口に含むと厚みがありなめらかなテクスチャー。凝縮感のあるパワフルな果実味で、しっかりとした骨格の中にもソフトで繊細な一面を合わせ持つ。10年の熟成を経てもなお瑞々しく、心地よい酸と溶け込んだ甘いタンニンが、果実味の旨みをより引きたたせる。まろやかなコクがあり味わいのバランスの良さが光る。合わせるお料理は、赤身肉のロースト、ジビエ、豚肉と茸の味噌炒め、ソーセージと豆の煮込み、熟成チーズなど。
2019年10月試飲
バロンチーニ家 オーナー:ブルーナ・バロンチーニ氏
バロンチーニ家の歴史は、今から約500年以上も前にまで遡ることができます。現在残る昔の系図によると、バロンチーニ家はサン・ジミニャーノの地に、1489年から所有権を得たという記録があります。それから何世紀か後、'60年代にジャウレス・バロンチーニがトップクラスのワイン造りでの成功を目指し、現在のカンティーナ・バロンチーニを立ち上げました。恵まれた土地と家族の協力、先を見越して少ずつ畑を買い足していき、事業は拡大していきました。
娘のブルーナは、父が亡くなった時に医学の道をあきらめ、トスカーナのそれぞれのD.O.C.G.にカンティーナを持つという父の夢を実現するための計画を立てました。現在彼女は畑にいたり、セラーでブレンドしたりと、ワインに携わることをこよなく愛しています。彼女が思い描く理想像は、テロワールに密着した、土地の個性が生かされたワインです。6つのカンティーナを所有し、特定の銘柄に特化した生産者が多いトスカーナでは珍しく、幅広いラインナップを生産しています。少ない人数で多くのカンティーナをコントロールすることで、規模と専門性、多品目でありながら効率的な運営という、相反する点を上手く融合させています。
テヌータ・イル・ファッジェート
ウンブリアを遠くに望む丘から、トラジメーノ湖に向かってゆるやかな斜面が続きます。ここにテヌータ・イル・ファッジェートがあります。ブルーナがメインとなって管理をしています。畑は18haあり、海抜400~540m。土壌は上部が粘土質、下部がトゥーフォと呼ばれる柔らかい小石とトゥフと呼ばれる火山礫です。さらにデビルストーンと呼ばれる火山礫と硬い石が土壌に含まれ、ミネラルが豊富なのが特徴です。肥料は自然なもので、馬糞や刈り取った草などを使っています。収穫の選別は熟練した人が厳しく行い、プルニョーロ・ジェンティーレは特に厳格にしています。