シャトー キャップ サン ジョルジュ 2015
テイスティング コメント
艶のあるガーネットの色調。香りはブラックベリーやプラムなどの果実香、甘草、ブラックペッパーなどのスパイスのノート。そしてナツメグやトリュフ、皮革、土っぽいニュアンスも感じる。口に含むとスムーズでなめらか。ミディアムからフルボディで、熟成を感じながら活気に満ちた果実味。舌触りはビロードのよう。バランスのとれた上品な酸味、溶け込んだタンニンが全体を優しく包み込む。円やかなコクを備えており余韻も持続性がある。
合う料理 鴨・仔羊のロースト 照り焼きチキン、ジビエ、茸料理など。
2024年2月試飲
ジャヌイクス家
数多くのシャトーの名声を高めたジャヌイクス家
ジャヌイクス家のワイン造りは、1898年まで遡ることができ、現在、ポムロール、サン テミリオンを中心に、ボルドー スペリュール、コート ド カスティヨンなど多彩なアペラシオンを所有しています。ボルドーでは比較的小規模な生産者ではありますが、家族全員でワイン造りに関わり、深い愛情の下、高品質なワインを世に生み出しています。
ジャヌイクス家と言えばメルロの真髄と名高いポムロールの“クロ デ リタニ”、銘醸「ル パン」や「ヴュー シャトー セルタン」に隣接する“ラ クロワ サン ジョルジュ”、ファミリーの象徴“ラ クロワ トリフォー”。数多くのシャトーの名声を高め、揺るぎない地位を築き上げたのがジョセフ ジャヌイクス氏です。
“ボルドー新世代”のひとり、ジャン フィリップ ジャヌイクス氏
今、ボルドーでは世代交代の時期を迎えています。若い新しい世代の生産者は、伝統を引き継ぎながらもその名声におごることなく、化学的にもブドウ栽培・ワイン醸造を学び、『新しいボルドー』を造り始めています。息子のジャン フィリップ ジャヌイクス氏も、そんな“ボルドー新世代”のひとりです。父ジョセフから、ワイン造りを引き継いだジャン フィリップ氏は、伝統の職人技に、最先端の醸造法(開放式の木樽での醗酵、マストのパンチングダウン、澱との長期間の接触、無清澄・無濾過の瓶詰め)を取り入れました。
彼のワイン造りに対する真摯な姿勢は、“ニュー ジェネレーション”の中でもひときわ輝きを放ち、早くも評価はうなぎのぼりです。引き継いだシャトーの品質は年々高まる一方で、並外れて困難なヴィンテージにおいても注目に値すると専門家や愛好家の間でも賞賛されています。数ある生産者の中から堂々、『ワインメーカー オブ ザ イヤー』にも選ばれた、今ボルドーで最も才能のある注目すべき醸造家のひとりなのです。
サン ジョルジュ サン テミリオン(フランスAOCワイン事典(発行者 株式会社 三省堂)より抜粋)
リブルネ地区と呼ばれるドルドーニュ河右岸地区は、AOCボルドーを除く13のAOC赤ワインを産出している。最も栽培面積が広いのはAOCサン テミリオンであるが、この産地の北側に、サン テミリオン衛星地区と呼ばれる4つのAOC、すなわち、サン ジョルジュ サン テミリオン、モンターニュ サン テミリオン、ピュイスガン サン テミリオン、リュサック サン テミリオンの生産地が連なっている。
サン ジョルジュ サン テミリオンは、バルバンヌ川を挟んでサン テミリオンの丘の対岸にあり、4つの衛星地区の中で、最もサン テミリオンの畑に近い。また、サン ジョルジュ村には、モンターニュ サン テミリオンの畑もあるため、この村からは2つのAOCワインが産出されている。
リブルネ地区のワイン生産の発展に大きな役割を果たしたドルドーニュ河は、フランスの中央山塊に源流を発し、ジロンド河と合流して大西洋へ流れ込む大河である。サン テミリオン村から河の上流へ進むと、南西地方のワイン産地であるモンラヴェル地区やベルジュラック地区が広がっている。ドルドーニュ河は、19世紀末の鉄道開通まで、リブルネ地区や南西地方のワインをイギリスやオランダなどのヨーロッパの国々へ輸出するための重要な輸送路として活用された。