ドメーヌ フィリップ ルクレール ジュヴレ シャンベルタン レ プラティエール 2020
フィリップ ルクレールのスタンダードな村名ジュヴレ シャンベルタン。ブラックベリーやダークチェリーなど黒い果実のフレーバーに、十分な果実味と飲みやすい柔らかみを備え、キメの細かなタンニンも感じられます。
テイスティング コメント
紫がかった濃いルビーレッド。香りは熟したブラックベリーやダークチェリー、プラムリキュールを想わせ奥深い甘みと華やかな印象を醸し出す。そしてリコリス、ピンクペッパー、クミンなどのスパイシーな香りに、上品なオークのニュアンスが心地よいアクセント。口に含むと厚みのあるリッチな果実味に溢れ、パワフルながらもしなやかさを合わせ持つ。全体に丸みを帯びており広がりが豊かで、芳醇な味わい。キメ細かなタンニンが溶け込んでおり緻密でしっかりとした構造が感じられる。今飲んで、純粋に十分な美味しさ。男性的で力強いジュヴレにあって柔らかく、滲み出るような旨みとコク、長く続く余韻をもつ。合わせるお料理は、鴨肉のロースト、豚肉のグリル、牛肉やマグロの赤ワイン煮、赤身マグロのカルパッチョ、寿司、ウオッシュチーズなど。
2019年11月試飲(2016年ヴィンテージ)
ドメーヌ フィリップ ルクレール
ジュヴレ シャンベルタン村の村役場のすぐ近くにセラーをもつドメーヌ フィリップ ルクレール。フィリップ ルクレールのワインは、あの特徴的な楯形のラベルからひと目でわかります。そして彼が造るワインは、フィリップ本人やボトルから発せられるメッセージそのもの。極めてエネルギッシュで躍動感溢れるスタイルとなっています。
誰よりも遅い収穫、高めの発酵温度、長い樽熟成。ただし、アメリカ市場で多いにもてはやされた90年代の風味からは脱皮。抽出の強いピジャージュは頻度を減らして柔らかなルモンタージュに、発酵後のポストマセレーションは廃止しました。過去にはブルゴーニュ ルージュから新樽100%熟成だった時代がありましたがそれも改め、今日の新樽率はブルゴーニュ ルージュで10%、村名ジュヴレ シャンベルタンで60〜70%、一級もので100%となっています。
フィリップはこれを変化ではなく進化(エヴォリューション)だと言います。昔のブルゴーニュワインは何年も寝かせてから飲む人が多かったが、今は市場に出たらすぐに消費してしまうのがトレンド。それに合わせての進化だと。では反対に、長期熟成に耐えられないワインになってしまったのかといえばそうではなく、早く飲めると同時に長く寝かせてその熟成した風味を楽しむことも可能だとフィリップは強調します。
特級畑をもたないドメーヌですが、クロ サン ジャックに隣接する1級カズティエがそれに十分変わり得ます。飲みごたえのあるジュヴレ シャンベルタンをお好みの方にはうってつけの造り手といえるでしょう。