ドメーヌ フィリップ ルクレール ブルゴーニュ ルージュ レ ボン バトン 2020
ドメーヌのエントリーレベル。広域ACでありながら畑はシャンボール ミュジニー村にあり国道の東側に位置する区画。繊細な果実味ながらストラクチャーがしっかりしており美しい酸が調和した一本。スムーズな口当たりで、シャンボール ミュジニーらしいしなやかさを感じます。
テイスティング コメント
紫がかったルビーレッドの色調。香りは熟したラズベリーやチェリー、ほんのり甘い果実のアロマ。そしてスミレ、シナモン、スパイスのニュアンス。スモーキーなオークのノートがアクセント。味わいはスムーズでしなやか。キメ細かなタンニンに穏やかな酸味、繊細にしてしっかりした芯があり美しいバランスを保っている。瑞々しさとフルーティーさ、ボディは程よく、アフターにかけて広がる長い余韻が印象的。
合う料理 白身肉のグリル、トマトベースの魚介類や鶏肉料理、鴨鍋、鰹のタタキ、茸のリゾットなど。
2024年2月試飲
ドメーヌ フィリップ ルクレール
ジュヴレ シャンベルタン村の村役場のすぐ近くにセラーをもつドメーヌ フィリップ ルクレール。フィリップ ルクレールのワインは、あの特徴的な楯形のラベルからひと目でわかります。そして彼が造るワインは、フィリップ本人やボトルから発せられるメッセージそのもの。極めてエネルギッシュで躍動感溢れるスタイルとなっています。
誰よりも遅い収穫、高めの発酵温度、長い樽熟成。ただし、アメリカ市場で多いにもてはやされた90年代の風味からは脱皮。抽出の強いピジャージュは頻度を減らして柔らかなルモンタージュに、発酵後のポストマセレーションは廃止しました。過去にはブルゴーニュ ルージュから新樽100%熟成だった時代がありましたがそれも改め、今日の新樽率はブルゴーニュ ルージュで10%、村名ジュヴレ シャンベルタンで60〜70%、一級もので100%となっています。
フィリップはこれを変化ではなく進化(エヴォリューション)だと言います。昔のブルゴーニュワインは何年も寝かせてから飲む人が多かったが、今は市場に出たらすぐに消費してしまうのがトレンド。それに合わせての進化だと。では反対に、長期熟成に耐えられないワインになってしまったのかといえばそうではなく、早く飲めると同時に長く寝かせてその熟成した風味を楽しむことも可能だとフィリップは強調します。
特級畑をもたないドメーヌですが、クロ サン ジャックに隣接する1級カズティエがそれに十分変わり得ます。飲みごたえのあるジュヴレ シャンベルタンをお好みの方にはうってつけの造り手といえるでしょう。