セリェール ピニョル サ ナトゥーラ 2017
「聖なる自然」と名付けられたテラ アルタD.O.初の有機認証ワイン。
醗酵: ステンレス タンク醗酵、ステンレス タンクにてマロ ラクティック醗酵
熟成: オーク樽熟成13カ月(300L/85%フレンチオーク、15%アメリカンオーク、新樽比率35%)
テイスティング コメント
エッジが紫がかったガーネット。野性味のあるベリーフルーツやプラム、リコリスの香りに、やさしいバニラと軽いロースト香。そしてシナモン、クローブ、バルサミコの香り。湿った土のニュアンスも感じる。味わいは濃縮感があり、それでいて艶っぽい。パワフルな印象も綺麗な酸があり全体的にスマートに仕上がっている。純粋かつジューシーで、スパイスの風味が調和。なめらかで包み込むような、良質なタンニンはサ ナトゥーラの特徴とも言え、バランスの良さが光る。合わせるお料理は、ラムチョップ、ローストチキン、豚バラ肉のソテー バルサミコソース、ビーフシチュー、エスニック料理、ハード系チーズなど。
2020年9月試飲
セリェール ピニョル
バルク売りから、品質重視の自社瓶詰めボデガへ
設立は1945年。近年のスペインワインの新興地といわれるテラ アルタで、現在は4代目にあたるフアンホ ガルセラ ピニョル氏が中心となりワイナリーを運営しています。設立以来、長年に渡り『トーレス社』などのペネデスの大手生産者にワインをバルク売りしてきましたが、フアンホ氏が1995年にワイナリーに参加後、彼の発案で自社瓶詰めを開始しました。自社畑では有機栽培を実践し、高品質なワインを生み出しています。フアンホ氏は、テラ アルタの可能性や自社のブドウやワインの品質の高さを早くから認識していました。そして、「これだけの良質のワインを他社にバルク売りするのではなく、自社のワインとして自分たちの手で世界中に届けたい」という思いを実現していきます。
コストパフォーマンスの高さが世界中で絶賛!
自社瓶詰めを開始して8年、2003ヴィンテージがロバート パーカー氏から「驚くほどの価値」「ケース買いすべき」と、そのコストパフォーマンスの高さが認められました。以後、ワイン アドヴォケイトを始め、ワイン スペクテーター、ジャンシス ロビンソン氏の目にも留まるところとなり、スペインのワインガイド「ペニン誌」では毎年テラ アルタNO.1の高評価を獲得しています。
高い土地=テラ アルタ
テラ アルタD.O. (1985 認定)
バルセロナからバレンシア方面(南)へ約150km、地中海から約50km程内陸にあり、D.O.の名前が示すとおり、標高950mの山々に囲まれた土地。(テラ アルタはカタルーニャ語で「高い土地」を意味します。Terra=土地、Alta=高い) テラ アルタは、カタルーニャの世界的な銘醸地プリオラートやモンサンに地理的(40km程の距離)にも気候・土壌的にも近いが、価格的に手頃であることが大きな利点です。
消費者に届けたいのは、ワインという自然と人の手仕事による芸術品
「個性があり、表現力の高いワインを造り出すこと。」を信条にするフアンホ氏は、「消費者に届けたいのは、製品ではない、ワインという自然と人間の手仕事による特別な芸術品。」だと語ります。
ボデガでは ガルナッチャ ティンタ、カリニェナ、ガルナッチャ ブランカという地元品種主体のワイン造りで、テラ アルタならではの味わいを持ったワイン造りをしています。カベルネ ソーヴィニヨンやメルロといった国際品種も栽培していますが、あくまでブレンド用で100%ヴァラエタルでのワイン造りには興味がありません。ピニョルというワイナリーらしさ、テラ アルタという地域性を最も大切にしています。