クロティン 1897 ピエモンテ ビアンコ ブッサネッロ プリズン 2019
白い花のようなアロマが感じられ、豊かな酸味と火打石のようなミネラル感が感じられます。柑橘系フルーツの印象も強くバランスが良い味わいです。
醗酵: ステンレスタンク
熟成: ステンレスタンク(シュール リー6カ月)
テイスティング コメント
淡いイエローに僅かにグリーンのトーン。香りはレモンやグレープフルーツなど爽やかなシトラスのアロマに白桃、白い花、鉱物的なミネラルのヒント。口に含むとなめらかで、しっかりとしたミネラルを感じる。塩味があって、酸味と果実味のバランスがとれ繊細で引き締まった味わい。フレッシュでクリアー、なおかつ旨味があり、これらはシュール リー製法に起因する。サッパリ感がありながら十分なインパクトを残しアフターフレーヴァーの広がりが心地よい。合わせるお料理は白身魚のカルパッチョ、魚介のサラダ、ほうれん草の胡麻和え、酢の物、焼き牡蠣など。ぜひお料理とともにお楽しみを。
2021年3月試飲
クロティン 1897
常に挑戦の意欲を絶やさない小さなワイナリー
1897年に創業以降、マレットの村でワイン造りに励んできました。同村では他にワイナリーは無し。現在のフェデリコ ルッソの代の前まではフレイザ種やバルベーラ種など、アスティ県を代表するブドウを中心に植えていましたが、フェデリコ ルッソ氏の時代になってブッサネッロ種(2003年-)やマルヴァジーア モスカータ種(2014年-)など、絶滅の危機にさらされているブドウ品種へのチャレンジが目立ちます。
トリノ大学で醸造学を学んだ時に気になっていたブドウ品種への挑戦
フェデリコ ルッソ氏自身が醸造学を勉強していた際に、授業の中で聞いていた魅惑的なブドウ品種の話…
「昔はブッサネッロというものがあって…」や「マルヴァジーア モスカータという面白いブドウ品種が植えられていた」などの話にずっとフェデリコ ルッソ氏は興味をもっていました。
「いつか、自分も取り組んでみたい」
この好奇心旺盛さが独自性の強いクロティン社を支える源と言えるでしょう。
1アイテムあたり5,000本以下の少量生産!
ヴィニタリーなどの国際見本市に出展するにつれて、輸出が増えてきたクロティン社。イタリア国内では地元の顔見知りのレストランに卸している、地元密着型のワイナリーです。総生産量も約35,000本と非常に規模が小さく、1ワインあたりも3,000-5,000本程度と少量生産を貫く「知る人ぞ知る」ワイナリーです。将来的には増設も考えていますが、その場合でも「総生産量が8万本を越えることはないと思う」と品質志向を口にします。
貝の化石をモチーフにしたラベル
実際、彼らの畑を見学すると貝殻が容易に見られます。ピエモンテ州は海と面していないので、「海」のイメージが少ないですが隆起してきた土壌であるため、貝殻の化石などがゴロゴロとしています。
「ピエモンテワインの説明をするとどうしても『山のワイン』と思われることが多く(実際はそうなのだが)、でも土壌には海由来の要素もある為ワインにはミネラル感がしっかりと感じられるんだ。だからこそ、ピエモンテのイメージにはあまり無い方のシンボルをデザインしました」と語ります。
プリズンは2つの畑のブレンド
ブッサネッロは2つの畑のブドウが使用されています。「プリズン」は両畑がある地区の名称になりますが、至近距離でも特徴は異なります。最初に植樹したのは2003年です。ワイナリーから少し離れた方の畑は粘土質と凝灰岩質が入り混じりミネラル感とワインに厚みをもたらします。ワイナリーの隣にある畑は砂質及び石灰質であるため、ワインに酸味と香りをプラスします。これをブレンドすることにより、酸味と果実味のバランスを重視しています。