シャトー アルトニャック ブランケット ド リムー クロズリー デ リ NV
葉の裏に白い産毛が生えていることから、ブランケット(毛布)に例えられるリムーの土着品種モーザックを用いたスパークリングワインです。フレッシュなリンゴやアプリコットが香るアロマにフローラルかつトースティなニュアンス。ドライな口当たりに続く泡はキメ細かく、中盤から厚みを増す味わいには、ブドウそのものの香り高さが満ちています。
醸造・熟成: スチールタンクで発酵、瓶内熟成12ヶ月以上
ドサージュ: 9g/l
テイスティング コメント
明るいゴールド / ライトイエローの色調。香りはリンゴ、白桃、アプリコットのアロマとサンザシやジャスミンなどのフローラル ノート。そして蜂蜜、仄かにトーストの香り。味わいはフレッシュでスムース。ドライな口当たりにもジューシーな果実味が溢れシードルや白い核果を思わせ、生き生きとしている。親しみやすい味わいだが、繊細で綺麗な酸がバランスよくまとめ上げ中盤からふくよかさが増していく。充実感がありエレガントなアフター。幅広いお料理、シチュエーションで楽しめる。
合う料理 生ハム、魚介料理、鶏肉のローストやホワイトソース煮込み、天ぷら、和食、カプレーゼなど。
2022年7月試飲
シャトー アルトニャック
南仏のシャルドネの聖地と名高いリムー
ブルゴーニュに代々続くブドウ栽培農家出身であり、1986年にマコネでドメーヌ デ ドゥー ロッシュを共同で立ち上げたジャン リュック テリエとクリスチャン コロヴレイは、故郷でワイン造りに情熱を注ぐ一方、ブルゴーニュの他にもシャルドネとピノ ノワールの可能性を模索していました。新たなテロワールを求める中、彼らが辿り着いたのは、南仏のシャルドネの聖地と名高いリムーにあるシャトー アルトニャックでした。カルカッソンヌから南に約50km、リムーの中で最も標高が高く周囲の生産エリアよりも冷涼なオート ヴァレ地区に構えるこのシャトーには、1970年代にラングドックで初めて植樹されたシャルドネやピノ ノワールの畑が現存しています。当時のシャトーの所有者が元詰め生産者団体の設立者だったため、一部の造り手が彼に倣ってこれらの品種を南仏で栽培するようになったという、いわば『シャルドネの始まりの地』。1997年にシャトーを購入した当時、畑やセラーは荒れ放題でしたが、ジャン リュックとクリスチャンは3年がかりでワイン造りの環境を整えました。
「極上のシャルドネ」
97haの所有畑では14種類もの品種を栽培していますが、彼らが特に目をかけているのがこの古いシャルドネの畑です。ピレネー山脈を望む海抜400mの南斜面は、オート ヴァレに典型的な粘土石灰土壌。最も古い樹は、奇しくも彼らの出身地マコネからもたらされたクローンで、シャルドネ ミュスクの別名を持つ通り、完熟するとミュスカのような芳香を放ちます。オート ヴァレでも標高の高いこの地では、山の影響を受けた地中海性気候により、12~30度という昼夜の寒暖差ができることからブドウの成熟期間が長くなり、理想的な糖度・酸度が育くまれるだけでなく、このクローンの特性も最大限引き出されるのです。
栽培方法は限りなくビオロジック、自然酵母での発酵
栽培は限りなくビオロジックで行い、土壌流出防止も兼ねて畑には自然の緑を残しています。また、若樹のクオリティを確かなものにするため、独自の苗木場で培養した苗木を用いて植樹し、植樹密度も最大7千本/haまで高くしています。醸造においては、ブドウのフレッシュさを保つために気温の低い早朝に収穫を行い、自然酵母での発酵では温度を20度以下に抑えています。
初ヴィンテージの2000年で、既にベターヌ&ドゥソーヴの目に留まり、「極上のシャルドネ」と絶賛を受けました。また、ワイン アドヴォケイト誌においても「並外れた成功作」と高く評価されていますが、彼らは「これまで少しずつこの地に最適な手法を学んできた。今後も改良を重ねて、できる限りテロワールを近くに感じられるようなワインを造りたい」と謙虚な姿勢を崩しません。尚、栽培はクリスチャン、醸造はジャン リュックとラングドック出身のエノロゴ、ダヴィッド セロデスが担当しています。