ドメーヌ クラヴェル ボンヌ ピオッシュ ピク サン ルー 2020
スパイシーで芳醇なピク サン ルーの魅力が詰まった赤
Bonne Pioche… “良い事” を意味するフランス語の表現。
畑は25ha、モンペリエの北にあるアッサスに位置します。森林とガリーグ (地中海沿岸部の石灰岩質の白くて乾燥した大地に自生しているタイムやローズマリー等の植物類)に囲まれた、石灰質の石の多い土壌。2007年に有機栽培の認証を得ています。収穫は手摘みにこだわっており、畑の元来の力を引きだし土壌の活力を高める為に牛の角に詰めた牛糞を使う等のビオディナミ農法を採用。ピク サン ルーの自然環境、造り手の情熱を純粋に表現したワインを生み出しています。
テイスティング コメント
紫を帯びた濃いルビーレッド / ガーネットの色調。香りは少しスモーキーで、ブラックベリーやブルーベリー、カシスなどの甘い果実香とローズマリーやセージ、ガリーグを思わせるハーブ、下草のヒント。味わいはフレッシュでまろやか。艶やかで美しい質感に凝縮した果実味が上品に感じられる。エアリーでバランスのとれた味わい。非常に口当たりが良く、ついついアルコール分の高さを忘れてしまう(14.5度 飲み心地◎)。
合う料理 赤身肉料理、ペッパーを効かせた豚肉のロースト 赤ワインソース、鴨肉のローストなど。
2024年1月試飲
ドメーヌ クラヴェル
ピエール クラヴェルがこの地でワインの生産者となったのは1986年のことでした。その昔、ラングドックのワインは誰からも注目を浴びることはなかったのですが、ピエールの父、ジャンはこの地域がブームになるずっと前から、ラングドックワインの明るい未来を予見していました。父の言葉がピエールのアイデアを刺激し、ワインを造りたいという彼の願望が大きくなっていきました。ピエールはラングドックでワインを樽熟成で成功させた最初の一人となりました。彼の初めてのキュヴェ、コパ サンタです。ドメーヌは現在モンペリエから北へ約20分のアッサス村のはずれ、マス ド ペリエに所在します。住居とセラーとお客様をお迎えするサロン。もとは牛舎だったこの建物をピエールは時間をかけて自分でリフォームしたのです。どこをとってもおしゃれで心地よい空間。ピエールは自慢げに「壁をこうやって削ったんだよ」と話してくれました。
偉大な2つのテロワール
ピク サン ルーのアペラシオンに17 haのブドウ畑を所有しています。ここはアレッポ松の林に囲まれており、タイムやローズマリーの香りが漂います。畑は2009年に取得して以来有機栽培を実施しており、白ワイン用のブドウも植えました。土壌は赤、黄、茶色の粘土質土壌に小石が混ざっており、シラー種のブドウはこの土壌を好みます。黒い果実と豊かなタンニンを伴う、小さく密集したブドウの房、一つまみの胡椒が効いたスパイシーさもこのテロワールから造られるボンヌ ピオッシュやデ クロで感じることができます。
モンペイルーのアペラシオンに13 haのブドウ畑を、2016年に取得しました。ラルザックの麓、標高350mの畑は涼しい風が吹いています。アーモンドの木に囲まれた畑の土壌は非常に石灰質で、樹齢40年のシラーが植えられています。このシラーからは野性的な特徴が表現されます。もちろん、モンペイルーの畑も全て有機栽培でブドウを生産しています。どの畑でも、冬場はマスタード、豆類や小麦類などの植物がブドウ畑を覆い、夏が来る前に耕して自然の肥料にします。
2014年以来、ワインの醸造工程はピエールの妻、エステルが担っています。彼女はそれが大好きで、素晴らしい仕事をしています。ドメーヌ クラヴェルのワインはそんな彼女のこだわりが詰まっています。諦めない粘り強さと我慢強さ、そして非常に正確さも求められます。ドメーヌのワインはエステルの影響を受け、進化し続けています。それはドメーヌにとってとても重要なこと。ここでは誰もがお互いを信頼し合い、頼りにしています。
『醸造の各段階でテイスティングすることで、自分が正しい道を進んでいるかどうかが分かります。しかし何よりも、しぼりたてのブドウの搾汁を味わうことが私の仕事の指針です。目標を達成するために取るべき一連の行動よりも、ブドウとテロワールの声に耳を傾けることが重要です。私はワイン醸造が大好きです。エネルギッシュで生き生きしていると思います。収穫したブドウでセラーがいっぱいになるときの興奮が大好きです。焦りが爆発してしまいます。』(エステル談)
『日本の消費者の皆様が私たちのワインを飲むとき、皆様はラングドックの歴史とテロワールを飲みます。ドメーヌ クラヴェルのワインは歴史を語ります。それぞれのワインには独自の個性があります。ドメーヌで働く、エステル、二人の息子たちとの家族の歴史でもあります。私たちは自然保護に力を注いでいます。自然への敬意は自尊心から始まります。そして他者への敬意。』(ピエール談)