ドメーヌ ル ロック ロック アンビュル ペティアン ナトゥレ 2022
自家消費用のワインでしたが、評判の高さから商品化されました。珍しいネグレット100%のペット ナット!
このエリアの土着品種、ネグレット100%で造られるペティアン ナチュレルです。畑の土壌は、礫質とこの地方特有のブルベーヌ(小石、砂利、砂、シルトを含む土壌)が混ざっています。葡萄が完熟する少し手前(8月の最終週)で収穫することで酸を保ち、アルコール度数を低くしています。収穫した葡萄は除梗した後、直接圧搾し、SO2を添加せずにステンレスタンクに入れます。発酵は葡萄の果皮についている天然酵母を使い、18度で約3週間行います。発酵の途中、残糖が20~30gになった時点で温度を3度に下げます。軽くフィルターをかけ、酵母の働きを止めます。その後、ボトルに移します。冬の間にボトルの中で再度発酵が始まり、二酸化炭素が発生し、おだやかな発泡ワインが出来ます。ザクロや小さな赤い果実を思わせる香り高いアロマが広がります。エレガントで繊細な泡がたいへん心地よいワインです。
テイスティング コメント
やや濁りのあるオレンジ / 僅かにピンクが混ざる色調。ラズベリーやクランベリー、ザクロ、甘いチェリーの香りが溢れ、独特のスパイスの香りと酵母のニュアンスがアクセント。口に含むと繊細な泡の刺激が心地よく、ピュアな果実味が染み渡る。摘みたてのブドウやイチゴのフレーヴァーが優しく広がり、フルーティで飲みやすい。食前酒やデザートに最適。アルコール度が低いので(9.5%)、ランチにも。
合う料理 食前酒、軽いパスタ、シャルキュトリー、サンドイッチ、デザートなど。
2023年1月試飲
ドメーヌ ル ロック
「ラ ルヴュ デュ ヴァン ド フランス」№668/2023年3月にて特集記事が掲載
A.O.C. フロントンの注目の生産者
ドメーヌ ル ロックは、南西地方のAOCフロントンの中心、ガロンヌ川とタルン川の間に位置する家族経営のドメーヌです。この土地の土着品種ネグレットを中心に、個性的なワインを手掛けています。38haの畑を所有し、年間約15万本のワインを生産しています。ドメーヌは1980年代にジャン-リュック リブとフレデリック リブの兄弟によって設立されました。1974年に兄弟の祖父がセラーと畑を購入しましたが、彼らの父親の時代まではフロントンの協同組合に葡萄を売っていました。兄のジャン-リュックは父と一緒に畑で働いていました。フレデリックが醸造学の勉強を終えて大学を卒業し、フロントンのいくつかのワイナリーで働いた後、兄弟は、協同組合を離れて自分達のドメーヌを設立することを決意しました。初めて二人が造ったワインのファースト リリースは1986年です。それから30年以上にわたり、ジャン-リュック、そしてフレデリックと彼の妻カトリーヌを中心にずっと家族経営でワイン造りを行ってきました。数年前からは、フレデリックとカトリーヌの末娘のアンヌ、ジャン-リュックとフレデリックの甥のグレゴワールが加入しました。ジャン-リュックは引退し、ドメーヌはフレデリックとカトリーヌ、アンヌ、グレゴワールが共同で経営しています。
ネグレットを主体とする赤とロゼの産地 “フロントン”
フロントンは、フランス・南西地方に位置する小規模な生産地域です。土着品種のネグレットを主要とする赤ワイン、ロゼワインがA.O.C.として認可されています。ガロンヌ川とタルン川に挟まれた場所に広がり、土壌は砂利質で鉄分や石英を多く含んでいます。カオールよりもさらに南側にあり、西にはブランデーで有名なアルマニャックが広がっています。1975年にコート デュ フロントネA.O.C.として認定された後、2005年に現在の名称であるフロントンA.O.C.に変更されました。南西地方の中でも知名度は決して高くはありませんが、ドメーヌ ル ロックはこの地で素晴らしいワインを手掛けています。
畑は3つのエリアに分かれており、それぞれ土壌タイプが異なります。異なる3つのテロワールから、それぞれの特徴を持ったアロマの異なるワインを造ることができます。ル ロックでは、1981年からオーガニックに近い栽培を行ってきました。2022VTから公的認証が表示出来るようになります。畑の畝と畝の間には草を生やしています。冬の間は、飼育している50頭の羊を畑に放しています。羊に草を食べてもらうことで、科学的な除草剤を使用せずに自然なやり方でカバークロップの量をコントロールしています。「この羊の放牧については、同じエリアの他の生産者がやっていないことで、私たち独自の取り組みです。私たちの哲学は設立当初から何も変わっていません。生き物すべてを尊重し、自然環境に配慮したワイン造りを目指しています。この土地は自分達だけのものではなく、より良い自然環境を保ちつつ、次世代に引き継いでいくべきだと考えています。畑では出来るだけ多くの手をかけ、反対にセラーではなるべく介入しません」とアンヌは話します。収穫は若い葡萄の区画や特定の区画は手摘み、それ以外は、機械で行います。