ティエリー・ウリー ブラン・ド・ノワール グラン・クリュ NV
アンボネイに所有する1haのピノ・ノワールの区画から造られます。
熟成:24ヶ月以上 ドサージュ:5g/L
テイスティング・コメント
黄金色(微かにオレンジのトーン)。粘性は中程度。香りにはアプリコットやリンゴ、カリンのコンポート、オレンジの皮、白い花のアロマにジンジャー、濡れた石、チョーク、ミネラルのノート。そしてイーストやアーモンド、蜂蜜のニュアンス。広がりが豊かで洗練された趣。口に含むと繊細な発泡が心地よく、ミネラリー、かつ力強い果実感で満たされる。熟度の高い果実味だが、インパクトのある豊富なミネラルと上品な酸味が支えており、味わいは緻密、親しみやすさとエレガンスを兼ね備える。旨みとともにコクのあるボディ感、優雅な余韻を持つ。複雑性に富み、バランスの良さが光る逸品。
2017年2月試飲
ティエリー・ウリー
最高級のプレステージュ・シャンパーニュには欠かせないグラン・クリュのひとつ、アンボネイ。モンターニュ・ド・ランス地区の南部に位置し、同地区のヴェルズネイやブジー、そしてヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のアイと並び、最上のピノ・ノワールの産地として称えられています。
適度な厚さの表土を持つチョーク質の土壌や、南東向き斜面に注ぐ豊かだが決して過剰ではない日照が、ふくよかな果実の中にフィネスを備えたワインを生むのです。チャーミングな果実が軽やかに膨らみ、そのやさしく豊満な果実感をアイやヴェルズネイとは異なる重心の高さが際立たせます。アンボネイは、濃密・重厚とは別方向の美味しさが魅力のグラン・クリュ。モノポールを所有するクリュッグをはじめ、モエ・エ・シャンドンやポル・ロジェ、ルイ・ロデレールなど著名なメゾンが多く畑を所有することからも、この村の優位性がうかがえます。
限定生産のシャンパーニュ
ティエリー・ウリーはこのアンボネイに1909年に創業したレコルタン・マニピュランです。ウリー家により代々ブドウ栽培とワイン造りが行われており、現在は女性当主のマリアンヌ・ウリー氏が醸造所を切り盛りしています。アンボネイにのみ所有する畑は、ピノ・ノワールが1ha、シャルドネが1.4haの計2.4ha。この土地の偉大なテロワールをあますことなく表現するため、土壌の健全性を尊重した綿密な手作業で畑仕事を行い、ベースワインの発酵にはステンレスタンクを使用しています。
生産量は年間わずか2万本。限定生産のシャンパーニュを、醸造所のフィロソフィとワイン造りを真に理解する、ワインに情熱がある顧客に絞って販売しているため、市場でほとんど見かけることはありません。フランスのミシュラン星付きレストランや、ワインに造詣深い愛好家など、限られた者だけが手にすることができる貴重なアンボネイ100%のシャンパーニュです。