フィリップ・ペルノ・ベリカール ブルゴーニュ シャルドネ 2015
醗酵:オーク樽
熟成:オーク樽熟成 11カ月(228L、新樽比率15%)/瓶熟成 6カ月以上
【テイスティング・コメント】
グリーンがかった淡いレモンイエロー。粘性は中程度。香りにはレモンやライムなどの柑橘類、洋梨、白桃、白い花、ホワイトペッパー、スパイシーなオークのノートが混じり合う。新鮮味に溢れた品のよいアロマの広がり。ナッツ、砕石やチョーク、塩気とともに洗練されたミネラルが感じられる。アタックはなめらかで伸びのあるクリアーな果実味としっかりとした酸とのバランスがよい。繊細だが軽すぎることもなく、ピュアでジューシーな旨みが舌上から溢れ出るかのよう。なんとも小気味よいエキス分で、優しく包み込むような深みが感じられる。辛口で、グリップはさほど強くないが余韻は長く楽しめる。合わせるお料理は、アペリティフ、豚や鶏肉のソテー、鴨肉のロースト、帆立のカルパッチョ、寿司、ゴルゴンゾーラのリゾットなど。
※2017年5月試飲
■フィリップ・ペルノ・ベリカール
オーナー兼醸造家のフィリップ・ペルノ氏は、ピュリニーの銘醸ドメーヌ、ポール・ペルノの現オーナーの孫(長男の息子)です。フィリップ・ペルノ氏の奥さんの実家から土地を引き継ぎ、ドメーヌ・ペルノ・ベリカールとして2008年に自社詰めを始めました。ファースト・ヴィンテージは2009で、5haの畑を所有。白ワインのみを生産しています。既にイギリスやドイツなど、国際的に高い注目を集め始めている、期待の新世代です。
ピュリニーを代表する造り手ポール・ペルノ氏の孫
ピュリニー・モンラッシェを代表する銘醸蔵「ポール・ペルノ」の現オーナー、ポール・ペルノ氏の孫にあたるフィリップ・ペルノ氏。栽培・醸造学を学び、ドメーヌの手伝いをしていましたが2008年から全てを任されるようになりました。ワイン造りには、テロワールやヴィンテージの特徴を最大限に表現することを心掛けています。
全てはオーク樽醗酵・オーク樽熟成
ペルノ・ベリカールの信念は「ピュリニー・モンラッシェの持ち得るポテンシャルを、最大限に表現する」こと。そのために「全てのワインを、オーク樽醗酵・オーク樽熟成」させるというユニークな手法を取り入れています。ステンレス醗酵は気密性が高く、フレッシュな白ワインを造るには良いものの、より複雑味のある深い味わいを表現するためにはオーク樽が不可欠とフィリップ氏は考えています。ワインを呼吸させ、より長い時間オリとの接触を図る。そのために醗酵から熟成まで同じ樽でやることもあります。非常に手間がかかりますが、全ては若いフィリップ氏の情熱があってこそ。そうして造られた彼のワインは、「ピュアでミネラリック、複雑で上品」と高い評価を獲得しています。
栽培はリュット・レゾネを実践
本来のテロワールが持っているものをより表現する為に、人為的な介入を極力避け、ブドウの持つ本来の力とバランスをワインとして表現する事が重要と考えているフィリップ氏。雑草の処理は鋤きこみで対応し、醸造面では過度なバトナージュを行わないなど、出来るだけ自然な味わいを目指しています。