ベッサ・ヴァレー・ワイナリー エニーラ・レゼルヴァ 2011
収穫された葡萄は除梗後、2度にわたる厳しい選果を行ないます。ポンプを使わずベルト・コンベアにて発酵用のコンクリート・タンクに入れられ5~8日間の低温浸漬後、約2~3週間発酵、マセラシオンを行います。MLF後、フレンチ・バリック(新樽50%、1年樽50%)に移し18ヶ月熟成。
【テイスティング・コメント】
オレンジがかったエッジの深いガーネット。粘性は高め。香りにはプルーン、煮詰めた黒系果実、カシスリキュールなどの凝縮したアロマにブラックペッパー、アニス、リコリス、芳しいオークのノートが混じり合う。樽香にバニラエッセンス、クローブ、杉、スモーク、ビターチョコの香り、さらにトリュフやタール、茸、カラメルなどの複雑なブーケが広がる。アタックはなめらかでシルキーなテクスチャー。果実味は濃厚かつ豊満で、丸いタンニンと酸味が綺麗に溶け込んでいる。アルコール感が充実しどっしりとした飲み応えはインパクト抜群で、それでいてまとまりのよいスムーズなアフター、果実味が洗練されている。熟成により申し分の無い柔らかさと、辛口にして心地よい残糖感を伴い、余韻は長め。果実とオークのフレーヴァーが一体となり持続性がある。合わせるお料理は、デミグラスソースを使った料理や赤身肉のステーキ、すき焼き、黒酢酢豚、または食後にコクのあるチーズと共に。
※2017年6月試飲
■ベッサ・ヴァレー・ワイナリー
ベッサ・ヴァレー・ワイナリーはブルガリアの首都ソフィアから南東に約135km離れたパザルジク州に設立されました。このワイナリーに投資を行なったのはサン・テミリオンの銘醸「ラ・モンドット」や「カノン・ラ・ ガフリエール」をはじめ「デギュイユ」、「ペイロー」等を所有する欧州一の名門ハプスブルク家の末裔ステファン・フォン・ナイペルグ伯爵です。
ステファン・フォン・ナイペルグ伯爵は85年にサン・テミリオンに移り住み上記の銘醸シャトー、「ラ・モンドット」や「カノン・ラ・ガフリエール」を購入後、短期間で世界最高レベルにまで品質を引き上げた事で知られています。また、今や天才醸造家として呼び名の高いステファン・ドゥルノンクールの才能をいち早く見出し、1996年に醸造責任者に起用しました。そのナイペルグ伯爵がボルドーにおけるワイン造りと同様の哲学をもってブルガリアで手掛けたワインがエニーラです。
ワイナリーが所有する総面積265haの畑のうち、フランス系の品種が作付けされているのはおよそ半分の135haです。1haに5,000株の密植を行い、収量は最大でも50hl/ha。粘土と石灰岩に砂礫が層をなす畑に植えられた株1本に残す葡萄はわずか1kg。1haあたり1本に1kg、わずか約450房のみです。収穫は完熟具合を見極め、小さなかごを用いて手作業で行われます。発酵用のコンクリート・タンクには、葡萄のダメージを最低限に抑えるためにポンプを使わず、ベルトコンベアを使用します。キュヴェゾン(発酵と醸し)もナイペルグ伯爵を象徴とする低温浸漬が行われます。
リリース後はたちまち話題となり、ジャンシス・ロビンソンは『是非、ボルドー愛好家にブラインドで飲ませてみたい。』ロバート・パーカーJr.は『ナイペルグ伯爵は驚くほどにおいしいワインを生み出した。注目すべきお買い得品・・・』と絶賛する等ブルガリア・ワインとしては異例の注目を集めています。
評論家やメディア各紙から絶賛のコメント抜粋
■ジャンシス・ロビンソン氏
「私は ナイペルグ伯爵がはじめたこのプロジェクトに大変興味がある。既にアン・プリムールで一回、その後リリースされてからも 試飲をしたが、UKのWaitrose(イギリスの高級スーパー)が即導入した決断は全く驚かない。 フランクな性格でまるで口の中で歌って踊っているかのようだ。是非ボルドー愛好家にブラインドで飲ませてみたい。」
■ロバート・パーカーJr.氏
「マーク・ドゥウォーキン(ラルマンドとベルフォン・ベルシェの醸造家)とナイペルク伯爵が驚くほどおいしいワインを産みだした。注目すべきお買い得品… ホントに美味しいワインであり、世界中のワインの品質と多様性が高まってきた事をこのワインが証明した。」
■国際ビジネス紙「フィナンシャル・タイムズ」
「このワインが示す様にブルガリアは、欧州におけるチリのような役割を果たすだろう。」