ジョセフ・グリュス・エ・フィス クレマン・ダルザス・ブリュット NV
熟成:大樽で5ヶ月、瓶詰め後、澱と一緒に12~15ヶ月。フレッシュでストレートなアタック。口に含むと新鮮さがいっそう際立ち、ピュアな味わい。軽やかできわめてドライ。アペリティフに最適なクレマンです。
テイスティング・コメント
輝きのある淡いイエロー、微かにグリーンのトーン。泡立ちはキメ細かく豊かな気泡が立ち上る。香りには擦りおろしリンゴやピーチ、アプリコット、オレンジの花、アカシアを思わせフルーティーかつ華やかで、軽いバニラやナタデココ、ナッツのヒント。アクセントに石灰的なミネラルのノートが感じられ、洗練された趣がある。口に含むとなめらかで繊細な発泡、鮮やかな果実味が柔らかに広がりフレッシュでピュア。表情が豊かで、幾分軽やかな印象も良い意味でシンプル、ストレートにその風味・旨みが体現できる。極めてドライでキレのよい後味、フィニッシュはさっぱりとしている。合わせるお料理は、食前酒はもちろんカナッペ、手巻き寿司、白身魚のグリル、鶏レバー、中華、豚肉のしょうが焼き、繊細な食材を使った料理など。
2018年10月試飲
ジョセフ・グリュス・エ・フィス
ドメーヌ・グリュスはアルザスに3代続く、エギスハイム村拠点のドメーヌです。1962年にジョゼフ・グリュスがわずか4haのブドウ畑からワイン造りを始め、息子のベルナールに受け継がれました。現在はさらにその息子のアンドレが家業を継ぎ、エギスハイム、ヴェトルスハイム、エアリスハイム、ルファックの4ヵ村に計16haのブドウ畑を所有、ワインを醸造しています。
ブドウ畑の区画数はじつに42にも分かれ、標高280~340メートルの高さに散在。当然、それぞれのテロワールは異なっています。石灰性の泥灰土や石灰性の砂岩など。栽培方法はリュット・レゾネで、自家製の堆肥を必要に応じて使用しています。つねに畑を観察し、闇雲に薬剤を使うことはしません。処置が必要な場合であっても使用するのは専ら、硫黄、銅、イラ草を煎じたもの等です。
収穫は手摘み。選果の後、空気式圧搾機でゆっくりと搾汁。発酵にはステンレスタンクを主に使用しています。だからといって伝統を軽んじるものではなく、オークの大樽も用いています。自生酵母により自然発酵。ワインは澱とともに翌年3月まで熟成させ、その間にバトナージュを行います。清澄は澱引きと珪藻土による軽いろ過のみ。瓶詰めは暑い夏が来る前、果実の日で月の降りる日に好んで行っています。
アルザスやアルザス・グラン・クリュだけでなく、発泡性のクレマン・ダルザスでも、手摘み、自然発酵にこだわり品質の高さに定評があります。