ドメーヌ・ド・ラ・シュペット ピュリニー・モンラッシェ 2017
「レ・ウリエール」に0.5ha。粘土石灰質土壌。平均樹齢60年のVV。樽で発酵後、10ヶ月間熟成。新樽率50%。花の香りと、きれいな酸がお料理を引き立ててくれます。
テイスティング・コメント
グリーンがかった淡いレモンイエロー。香りはナッツ、トーストなどの香ばしさにサンザシやレモングラス、ライムを想わせる。そしてピーチ、花の蜜、バター、スモーキーなミネラルのヒント。奥行を感じる複雑で力強いアロマとブーケ。アタックは艶っぽくスムーズ。張りのある豊かな酸だが丸みを帯びておりフレッシュな果実のエキス分が調和している。2017年は綺麗な酸を感じながら比較的ボディは厚くより凝縮した味わいが堪能できる。もちろんアペラシオン特有のミネラル感は違わず存在し、テクスチャーがキメ細やかで味わいは充実感がある。申し分の無い凝縮味で、ボディ感と香味の広がりがマッチする。合わせるお料理は、仔牛やオマール海老の蒸し焼き、クリーム系の鶏や豚肉料理、アワビや野菜の天ぷら、寿司など。
2019年11月試飲
ドメーヌ・ド・ラ・シュペット
ギュトラン家はサントネイ村に1930年代から続くヴィニュロンの名家で、1992年、3代目のジャン・クリストフ(栽培担当)とフィリップ(醸造担当)の双子の兄弟が継承して自社ビン詰めを開始しました。
ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェ、そしてサントネイというコート・ド-ルの大トリを飾るアペラシオンに13ヘクタールもの畑を所有し、1992年から、「ぶどうのためだけでなく畑で働く人の健康のためにも」、リュット・レゾネ(減農薬)栽培を誠実に実践しています。この3つのAOCは隣接していますが、テロワールはまったく異なっています。ギュトラン兄弟は、基本的な栽培・醸造方法はもちろん、50%の新樽率や熟成期間まであえて全AOC一律にすることで、テロワールの違いを鮮明に表現しています。
世界の主要ワイン消費国およびフランス全土のレストランやワインショップでは長年人気を博しており、新ヴィンテージのリリースと同時に予約で完売してしまうそうです。それが最近まで日本に輸入されていなかった理由かもしれません。サントネイ村の村役場と教会近くの中心地に堂々たるメゾンを構える、「知られざる有名生産者」です。完成度の高い作品にふさわしい重厚ボトルも目を引きます。