シャトー フルール オー ゴーサン 2012
畑は南向きで日当たりのよい場所にあります。質の高い葡萄を得るため、芽かき、グリーンハーベストを行い、葡萄が完熟するように葉落としの作業を丁寧に行います。収穫は葡萄の温度が上がらないように夜間に行います。選別しながら収穫出来る高性能な機械を使用しています。発酵前に7度で48時間、低温マセラシオンを行います。発酵は温度コントロールしたステンレスタンクで行います。50%をフレンチオークの樽で6ヶ月、残りはステンレスタンクで熟成させます。
テイスティング コメント
輝きのあるガーネット。ブラックベリーやブラックチェリー、リコリスの香りとクローブ、タバコ、ロースト香。さらになめし革、炭、腐葉土など熟成のニュアンスを感じる。口に含むとスムーズでなめらか。キメ細かなタンニンが溶け込んでおりしっとりとしたテクスチャー。全体的に丸みを帯びておりしんみりと広がる滋味がある。スムーズな口当たりで、奥に秘めたる力強さをひしひしと感じる。
合う料理 ローストビーフ、ハンバーグ、肉煮込み料理、肉じゃが、牛タンシチューなど。
2022年10月試飲
シャトー フルール オー ゴーサン
シャトー フルール オー ゴーサンは、フロンサックの西、ヴェラック村に位置しています。1941年から4世代にわたって続く家族経営の生産者です。現在、4代目のエルヴェ リュイエがシャトーを引き継ぎ、ワイン造りを行っています。1990年より全面的な改革を行い、葡萄の栽培方法も一新しました。また数年間をかけてセラーに投資を行い、最新設備を整え現代的なワイナリーへと生まれ変わりました。近年では、ボルドー スペリュールのトップのひとつに位置付けられ、ヴィンテージに左右されない安定性と品質の高さが評価されています。
ワイン造りの哲学
エルヴェが目指すのは、テロワールを尊重したワイン造りです。「ヴィンテージごとに異なる物語がある。我々はそれを受け入れ、寄り添うようにしている。」と言います。また、「テロワールを重視する我々のワイン造りのアプローチにおいて、自然が最も大きな力を持つんだ。」と語ります。しかし、それは熟成を待たなければ飲み頃にならないワインと言う意味ではありません。シャトー フルール オー ゴーサンの特徴は「フィネスとエレガンス」であり、豊かなアロマと力強いタンニンが素晴らしく調和しています。
葡萄畑、栽培
所有する畑は30ha。フロンサックの丘の上に広がっており、石灰岩を多く含む粘土石灰質土壌です。南向きのため、たいへん日当たりが良い場所にあるため、非常に集約のある葡萄が出来ます。栽培しているのは90%がメルロ、残りがカベルネ フラン、カベルネ ソーヴィニヨン、マルベックです。
栽培には自然環境を尊重し、リュット レゾネを採用しています。化学肥料は使用せず、羊の糞を堆肥として使っています。また、畝と畝の間に草を生やし、健全な生態系が保たれるようにしています。年間を通じて厳しく、綿密な畑作業を行っていますが、これには忍耐と努力が必要です。収量を制限するためのグリーンハーベストや、葡萄の植え替え、風通しをよくするための葉落とし、整枝など、様々な作業を行います。また、これらの作業は1本、1本の葡萄の状態に合わせて、個々に行っています。
醸造
畑で選別をしながら収穫した葡萄は、セラーに運ばれ、選果テーブルで人の手で厳しく選別を行います。さらに、光学式選別機を使い葡萄を選別します。醸造は葡萄の個性、特徴を失わないよう、品種ごと、区画ごとに醸造します。発酵前に低温マセラシオンを短期間行います。アルコール発酵は温度コントロールされたステンレスタンクで行います。熟成にはフレンチオーク樽を使います。熟成期間中に何度も試飲を行い、ワインがどのように変化しているかを常にチェックします。ボトリングの直前にブレンドを行います。ワインの個性を失わないように、フィルターもかけず、清澄も行いません。