シャトー・デ・ゼサール メッツォ・ベルジュラック・ルージュ 2021
日本市場向けに特別に造るゼサールの限定キュヴェ
Mezzo(メッツォ)とは、音楽用語で「やや」とか「少し」という意味で、音楽好きで、仲間と演奏を楽しむパスカルならではの命名です。収穫は夜間に機械で行います。違いは熟成方法です。発酵前に、4~5日間スキンコンタクトを行います。28度に保ちながら、ステンレスタンクで発酵します。
熟成:タンクと3年樽各50%で10ヶ月熟成
テイスティング コメント
紫がかった濃いダークレッド。粘性は高め。香りにはブラックベリーやカシス、プルーンなどの果実香にスミレ、ローリエ、木樽由来のバニラやロースト香。コーヒーやチョコ、ココアを思わせる芳しい香りが広がり、さらに土っぽさや温かなニュアンスとクローブなどのスパイシーな香りも感じられる。アタックはまろやかで、ふくよかなボディ。丸いテイストの中、しっかりとしたタンニンが存在しこのクラスとしては上々の飲み応えがある。よく熟し味わいは濃厚で、プリッとした旨み、酸味は穏やかでバランスがとれている。このビター具合が癖になりそう。飲むほどにその美味しさがこみ上げてくる。合わせるお料理は、牛フィレやラム、鴨肉のロースト、牛肉と野菜の中華炒め、焼肉、ソースを使った料理、バーベキューなど。
2018年10月試飲(2016年ヴィンテージ)
シャトー・デ・ゼサール
飲む人には、ワオッ!と言って欲しい
会う度に、数々の名言を生むパスカル氏。ワイン造りについても、多くを語ってくれます。
『キーワードは、「オープンマインド」。偏見を持たずに、世界の素晴らしいワインに触れることが出来た。また、革新的なワイン造り(スキンコンタクト、夜間の収穫)を始められた。「自由であること」。ビオディナミ、オーガニック、様々な農法がある。どれも否定しないが、ひとつだけで完璧なものはない。葡萄、品質に良いと思えば取り入れる。「コストパフォーマンス」。人々は昔より世界中のワインを知っている。ラベルやブランドでワインを買う人は減っている。個人的にも様々なワインを買い、消費者の目線になって考えている。ワインの値段は、多くの人が買えるものでなくてはいけない。』(2013年来日)。
『私はワイン造りでは絶対に金持ちにならないし、なれない。なぜなら、こんなハイコストパフォーマンスのワインをこの地域で他に誰が造っているのだろうか?それが私の絶対的自信である。それが出来るのは、私がワインの仕事自体がとても好きだからであり、また職人にはなれるがビジネスマンにはなれないからだ。21世紀はもうテクノロジーの時代ではない!そもそも私のワインはテクノロジーに頼らない!そのために葡萄造りにひたすら専念する。
つまり化学肥料を一切使わないで畑の土にできる限り手をかける。それが私の意味する自然を尊重することに他ならない。私は、ワイン造りは90%が自然の力によるものだと信じている。そして残りの10%は理解できない未知の部分を持つ。私にはその10%の未知の世界が面白くてしかたがない。私のワインはどこのコピーでもない、私のワインなのである。それはまるで料理つくりと同じである(注:彼はかつて料理人でした)。よい材料が肝心で、さらに個々の料理人の味わいが出る。テクノロジーに頼ると品質が画一化してしまう。私は最高の畑を持っているし、自然だけを相手に働くので、各品種が個々の個性をもったよいフルーツを造ってくれる。』(オーナー:パスカル・キュイセ氏談)