フィリップ ル アルディ ブルゴーニュ コート ドール クロ ド ラ シェーズ デュー ブラン (モノポール) 2018
テイスティング コメント
輝きのあるストローイエロー。香りは白桃、グレープフルーツなどのフレシュなアロマにヘーゼルナッツ、ホワイトペッパー、ミネラル、上品なオークのノート。やさしいバニラ、時間の経過と共にコーヒーのような香りもあらわれる。口に含むと爽やかでしなやか。綺麗な酸を感じるエレガントな飲み口で、バックボーンとなるミネラルが味わいに深みをもたらしている。一言でいえば純粋で、優雅。緻密な構造をもっており余韻の長さも突出している。
合う料理 バターを使った白身肉や魚のソテー、エビチリ、仔牛や白身肉のクリームソース煮、豆乳鍋など。
2022年8月試飲
フィリップ ル アルディ(旧シャトー ド サントネ)
フィリップ ル アルディ(旧シャトー ド サントネ)
2021年7月1日より、「シャトー ド サントネ」はその起源を再認識し、ブルゴーニュ公国の初代公王「フィリップ ル アルディ」の名を冠して新たな歴史をスタートさせました。
そのフィリップ ル アルディが1395年に発した勅令は、 その後のブルゴーニュにとってたいへん画期的なものとなりました。公王はブルゴーニュの畑からガメイを引き抜き、より高貴なピノ ノワールを植えるよう奨励したのです。そういった歴史もあり、釉薬瓦の屋根を持つ歴史ある素晴らしいシャトーは、人々から愛着を持って「シャトー フィリップ ル アルディ」と呼ばれるようになりました。
コート ドールとコート シャロネーズにまたがる98ヘクタールにもおよぶブドウ畑を所有し、ブルゴーニュ地方で最も大きなドメーヌの一つです。その多様なクリマ(微気候)から、ブルゴーニュ品種の繊細さを反映した独特のスタイルで、味わい豊かなワインが生み出されています。所有する畑のある17のアペラシオン、ブルゴーニュ、オート コート ド ボーヌ、メルキュレ、アロース コルトン、ボーヌ、ポマール、サントネ、サン トーバン、クロ ド ヴージョなど…、赤・白合わせてグラン クリュが2種類、プルミエ クリュ17種類、モノポール2種類をもち、計43ものワインをそろえる圧巻のラインアップ。
この20年間、ドメーヌでは環境に配慮した栽培を実践し続けています。この広大な畑を除草剤に頼らず耕作するとともに、 草生栽培を施して、土壌の微生物層を活性化。2004年からTERRA VITISの認証を受け、2009年には持続可能な栽培方法を用いているとして農務省から認定を受けました。2015年には、フランス農業省が発行する新しい仕様に準拠した「高環境価値」(HEV 3)認証を取得した最初のドメーヌの1つになりました。2016年には、畑の近くに養蜂場を設置し、環境に敏感なミツバチによって無害な技術であることを証明し、すでに巣箱の増設も計画されています。
ワインのスタイルは、白ワインはピュアなアロマ、緻密さ、エレガンス。赤ワインは、ピノノワールの豊かさと、赤系果実味と黒系果実味の広がりを見事に表現し、フレッシュさ、濃縮、美しい滑らかさ、エレガントなタンニンが特徴です。
醸造では最新設備の投入により高品質なワインを追求し、テロワールの潜在能力を引き出しています。最新のプレス機でやさしい抽出が可能となり、また、キュヴェゾンと醸しの全サイクルにおいて温度管理も可能となりました。カーヴは、コート シャロネーズの生産量に対応したもの、コート ド ボーヌとコート ド ニュイの多様なアペラシオンに対応したものの2つをもち、アペラシオンの多様性とその生産量に適応した作業ができるようになりました。2019年にディレクターに就任したジャン フィリップ アルシャンボーの監督下、 まさにテーラーメイドのワイン造りが実践されています。
細心の注意をもって栽培、醸造されたシャトー ド フィリップ ル アルディのワインを味わえば、 4人の公王により繁栄を誇った、14世紀から15世紀の偉大なブルゴーニュを思い描くことができるでしょう。